読書の原点
子供の頃に星新一のショートショートにお世話になったという人は、ずいぶん多いのではないかと思います。典型的なじっとしていられない子供だった自分にとっても、星新一ははじめて本というものに没頭させてくれた読書の原点でした。
彼の読者だった者なら誰しも、記憶に焼き付いて離れない“特別なお話”というのが一つはあると思いますが、自分の場合、特に本書に収録されている『夜の会話』がそれでした。内容は、一見するとある平凡な男のUFOそして宇宙人との遭遇を描いた軽いSFものという風なのですが、その実「現実はどうやって作る(作られる)のか?」「そもそも人がなにかを見るということとはどういうことなのか?」といった、唯識論的なテーマを扱ったお話になっているんです。
ここのところ、ますます時勢の変化が激しくなり、「現実」をきちんと「見る」ということが難しくなってきたという気がしています。そうした状況のなか、改めて“見通し”というもののありようを問う意味でも、この場をかり先のお話を紹介したいと思います。
その他の記事
![]() |
わずか6ページの『アンパンマン』(津田大介) |
![]() |
先進国の証は経済から娯楽大麻解禁の有無で示す時代へ(高城剛) |
![]() |
世界百周しても人生観はなにも変わりませんが、知見は広がります(高城剛) |
![]() |
一流のクリエイターとそれ以外を分ける境界線とは何か?(岩崎夏海) |
![]() |
隣は「どうやって文字入力する」人ぞ(西田宗千佳) |
![]() |
花盛りとなるステマ関連が見せる地獄の釜の淵(やまもといちろう) |
![]() |
気候変動に対処する安全地帯としてのリモートライフやモバイルライフ(高城剛) |
![]() |
2015年買って良かった4つの製品(西田宗千佳) |
![]() |
今の京都のリアルから近い将来起きるであろう観光パニックについて考える(高城剛) |
![]() |
想像以上に脆い世界で生き残るための条件(高城剛) |
![]() |
『仏像 心とかたち』望月信成著(森田真生) |
![]() |
今週の動画「飇拳(ヒョウケン)」(甲野善紀) |
![]() |
「空気を読む力」を育てる4つの習慣(岩崎夏海) |
![]() |
大騒ぎの野球賭博と山口組分裂騒動あれこれ(やまもといちろう) |
![]() |
受験勉強が役に立ったという話(岩崎夏海) |