メルマガ『大人の条件』にて連載中の<「おとな学」入門>より

悲しみの三波春夫

寝転んで、お腹を掻きながら

「おとな学」なんていうタイトルで、原稿を書いているわけですが、じっさいのところ「おとな」を定義するものなどはないのです。

まさに、ヘーゲルがいうように「王が王であるためには、家臣がいるから」というほかはありません。「おとながおとなであるためには、こどもがいるから」ということですね。では、こどもとは何かということになりますが、こちらの方も定義することなどはできません。「こどもがこどもであるためには、おとながいるから」という他はないのです。

現代という時代は、このこどもとおとなの境界線があいまいになった時代だといえるだろうと思います。その理由は様々あるのでしょうが、わたしは市場経済の隆盛というものが、大きな理由のひとつではないかと考えています。

今回はそのことをご説明しましょう。

もともと、定義も公準もない「おとな」とか、「こども」といった言葉をめぐっての考察ですので、科学的な根拠のある話ではありませんし、何か答えが出てくるような問題でもありませんので、寝転んで、お腹でも掻きながら、お読みいただければ結構です。

寝転んで、お腹を掻きながら、書物を読むというのは、実はわたしが描いているおとなのイメージでもあるわけです。こどもはそんなことしませんからね。

1 2 3 4 5

その他の記事

「いま評価されないから」といって、自分の価値に疑問を抱かないためには(やまもといちろう)
結婚はむしろコスパサイコー!? ほとんどの若者が理解していない賢い老後の備え方(岩崎夏海)
「+メッセージ」はBot時代への布石だ(西田宗千佳)
世界60か国で定額通信を実現する「Skyroam Hotspot」を試す(西田宗千佳)
想像もしていないようなことが環境の変化で起きてしまう世の中(本田雅一)
本来ハロウィーンが意味していた由来を考える(高城剛)
闇が深い国際ボクシング協会(AIBA)の問題点(本田雅一)
「言論の自由」と「暴力反対」にみる、論理に対するかまえの浅さ(岩崎夏海)
雨模様が続く札幌で地下街の付加価値について考える(高城剛)
うざい店員への対応法(天野ひろゆき)
夕日が映える豊かな時間をゆったりと楽しんで生きる(高城剛)
捨てることのむつかしさ?(やまもといちろう)
それなりに平和だった夏がゆっくり終わろうとしているのを実感する時(高城剛)
『一人っ子政策廃止』は朗報か?(ふるまいよしこ)
ヘヤカツオフィス探訪#01「株式会社ピースオブケイク」前編(岩崎夏海)

ページのトップへ