やまもといちろうの記事一覧

個人投資家、作家。1973年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員を経て、情報法制研究所・事務局次長、上席研究員として、社会調査や統計分析にも従事。IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作に携わる一方、高齢社会研究や時事問題の状況調査も。日経ビジネス、文春オンライン、みんなの介護、こどものミライなど多くの媒体に執筆し「ネットビジネスの終わり(Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など著書多数。
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ICT系ベンチャー「マフィア」と相克

当メルマガでも何度か言及し、また海外の富裕層ビジネスに詳しい人たちも徐々に発言をし始めている内容ではありますが、例のDeNAキュレーションメディア問題に端を発した一連の話題は、いわゆる日本のベンチャーシーンにどれだけの“拝金主義者”を生み出したかというネタに発展してきております。ネット系事業と言えば、参入障壁も低くアイデア一本で一獲千金というイメージがあるのかもしれません。世の中そう簡単ではないし、うまくいくにはコンテクストもしっかりあるのですが、それでも起業家を惹きつけやすい土壌はネット業界にあるのでしょう。(2016.12.26)  続きを読む

DeNA「welq」が延焼させるもの

読売新聞など大手全国紙もようやくDeNAがやっていた健康ヘルスケア専門のキュレーションサイト「welq(ウェルク)」を取り上げ、問題の所在が一般の人たちにも分かるように報じられるようになってきました。まあ、しょうがないんですけどね。そして、DeNA守安さんから、真摯なお詫びと対処策の説明があり、その中に、DeNAの運用する9つのメディアについても運用を停止するという方針が発表になりました。ここで強調されたのは「モラル」です。そもそもMERYとiemoを買収してキュレーションメディアに進出する、という発表をしたときになぜ気づかなかったのか、という気持ちもないわけではありませんが、ここまで成功したと思っていたものを捨てる決断ができたことは、さすがに守安さんは優れた経営者なのだなと感じる次第であります。(2016.12.01)  続きを読む

迷子問答 公開質問【正しい努力とは】

迷えるハイスペ社会人です。帰国子女かつ国内大学院、海外そこそこMBA持ちのもうすぐ30代中盤の独身です。ただまぁ、友達いないんですよね。ぶっちゃけ、カネはあるんです。人生で悔いがあるとすると、結婚相手選びに失敗し続けたことぐらいですか。みんな、肩書や年収で人を見るんだなということと、友達は役に立たないんだなということでしょうか。それで、質問は「正しい努力ってなんだろうね」って最近すごく悩むのです。(2016.11.30)  続きを読む

「認知症」自動車事故とマスコミ報道

このところ、高齢者の自動車事故で凄惨な死亡事故が引き起こされていると報じられる機会が多く出るようになりましたが、警察庁・警視庁から公開されている事故統計をそのまま見てしまうと「高齢者による事故なんて昔からあるじゃないか」「何をいまさら」と感じる方も多いのではないでしょうか。実際に事故件数で言うとその通りなのですが、一部の損害保険会社と公的部門の情報交換によると、高齢者ドライバーには2つの変化がここ数年の間にあり、ひとつが運転距離が増え、生活の足として運転するドライバーは高い頻度でハンドルを握っていること。もうひとつが、家族や医師の強い勧めにも関わらず免許返納に抵抗する高齢者の割合が増加傾向にあることです。(2016.11.16)  続きを読む

仮想通貨はトーチライトか?

先日、NHKにも呼ばれて仮想通貨について解説してきたのですが、ようやく実利について具体的な内容が報道できるようになってきた、というのはとても大きいと思っています。もちろん、一時期は過剰に期待されていたからこそ「なんだかよく分からないもの」という憶測もあったわけなんですが、マウントゴックス事件のようなスキャンダルも経て、主に中華系利用者の急増、中央アジアやアフリカ地域、あるいはベラルーシやウクライナと言った政情不安国の通貨不信任から利用実態が増えていって、それなりに定着していったように思います。(2016.11.04)  続きを読む

先行投資か無謀な挑戦か ネット動画事業に関する是非と簡単な考察

このところ洋の東西で動画サイトと言われるものの事業を並べて業績の推移やユーザーの動きを見ておるんですけれども、敢えて具体的にどことか、数字がどうだということを言わずに外観だけ一言で言えば「死屍累々」であります。(2016.11.02)  続きを読む

「負けを誰かに押し付ける」地方から見た日本社会撤退戦

人口減少時代に入った日本が、この先一時的なバブル的好況に踊ることはあっても、20年近い高度成長という右肩上がりの経済環境を実現できる可能性は皆無でしょう。我が国の仕組みに組み込まれてきたものは、そのかなりの部分が「昨日より良い明日が来る」前提で作り上げられた右肩上がり信仰であり、銀行の不動産担保主義にせよ公共工事のリスクベネフィットに関する考え方にせよ、常にニーズが増え、価格が上がっていくという考え方がベースにあるため、うまくいかないごとに再編に追い込まれてしまうという欠陥があります。(2016.11.01)  続きを読む

フジテレビ系『新報道2001』での微妙報道など

現在、豊洲市場ネタも一巡して、専門家会議や新市場タスクフォースも立ち上がって、少しは落ち着くかというタイミングでとんでもないネタをフジテレビがやらかしてしまいました。ちょっと変わった感じの都議から送られた一枚の写真を、現場検証もすることなく報道番組で「柱が傾いている」と流してしまう大誤報で、目下大騒ぎになっています。(2016.10.04)  続きを読む

政争と政局と政治

このところ、東京都知事選を挟んで都政に関するすったもんだが繰り広げられておりますが、私自身も若干土壌改良のところは噛まざるを得ない部分があってしばらく都庁であれやこれや話を聞かされておりました。まあ、酷いもんです。個人的には、伏魔殿扱いされている東京都庁の職員の面々が、別に本人たちの責任でもないのに報告不行届だ、情報公開が不徹底だと突然言われて、怒っているというよりは途方に暮れている状況を見て「どうしたものか」と同情するところが大です。悪者にされたうえに、特に筋道も政策論も見当たらない適当な話ばかりが上から降ってくるのではどうしようもないのではないかと感じます。(2016.09.29)  続きを読む

格闘ゲームなどについて最近思うこと

「最近ゲーム業界に山本が帰ってきて何をごそごそやっているの」という風評をされて、かつてご一緒していたゲーム系ビジネスの方よりメールを頂戴することが増えてきました。簡単に言ってしまうと、東京ゲームショウ(9月15日から18日)でも発表することではあるのですが、いま全米で由緒ある格闘ゲームイベントである「Evolution」を2018年に日本で開催するべく製作委員会の立ち上げや実行準備などをやっております。(2016.09.02)  続きを読む

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