やまもといちろうの記事一覧

個人投資家、作家。1973年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員を経て、情報法制研究所・事務局次長、上席研究員として、社会調査や統計分析にも従事。IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作に携わる一方、高齢社会研究や時事問題の状況調査も。日経ビジネス、文春オンライン、みんなの介護、こどものミライなど多くの媒体に執筆し「ネットビジネスの終わり(Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など著書多数。
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目下好調の世界経済にバブル崩壊のシナリオと対処法はあるのか

嵐のようなアメリカ・トランプ大統領の東アジア歴訪が心配されたほどの混乱もなく終え、要するにいまのアメリカ大統領のほうが北朝鮮の若き独裁者よりも取れるオプションが多く変人であるがゆえにリスクが高いよね、という共通認識ができた感じでしょうか。(2017.11.10)  続きを読む

新聞業界の斜陽と世迷言について

大手新聞社を退職されて現在大学の教授をされている方が、先日とんでもないことを仰っていたのですが、曰く「最近の若い人は、何か疑問に思うとすぐにネット検索してしまい、まず自分の頭で考えることをしない」。44歳の私が結論を先に言いましょう。私も疑問に思ったらまず自分の中で結論を出さず、検索して資料にあたります。これ、ネットが便利だろうが、ネット普及前だろうが、当たり前の基本動作だと思うんですよね。昔だったら図書館に行ったり、新聞を読み返したりすると思いますが、そういう手間がかかるものについては諦めていたのです。いまはネットが有るので、行政文書から語彙単語の定義に至るまで、特定しやすくなりました。その意味では、そもそも確たる情報も手の内にないのに、疑問に思ったことを頭の中だけの話で是か非か決めてしまう、というのは有り得ないことです。(2017.11.01)  続きを読む

「歳を取ると政治家が馬鹿に見える」はおそらく事実

ひまネタというか、情勢調査の合間にいろんな検証を定点的にやっているわけなのですが、日本株や債券に造詣の深い外資系ファンドからの依頼で毎年いろんな質問をコーホート(同じ母集団に質問し続ける)とフレッシュサンプリングで分けて調査設計しております。その中の一つに「政治家に対する信頼度」という項目がありまして、詳細は省きますが要するに「貴方は日本の政治家を信頼できますか。10段階でいうと何点ぐらいですか」みたいな内容を聞いておるわけです。これが2002年から16年目に差し掛かって、まあ見事にどんどん低下していっています。どの年代も、例外なし、です。(2017.10.27)  続きを読む

都知事・小池百合子さんは希望の党敗戦と台風対応の不始末でどう責任を取るのか

10月22日投開票が行われた衆議院選挙は大雨に見舞われながらも無事に終わりました。希望の党の失速と、筋を通したマイルドな左派が枝野幸男さんのもとに集って大変な追い風を受ける形で、今回のような結果になったというのは実に妥当で先の見えやすい結果になったのではないかと思います。(2017.10.23)  続きを読む

ここまで政策不在の総選挙も珍しいのではないか

公示前の調査なので、あまり込み入った項目を用意することはむつかしいのですが、木曜金曜とグループインタビューをしたり、各社が出してきた数字を並べてみてみると「有権者もいまの政治情勢に引っ張られて、あまりきちんと政策ごとの賛否を明らかにしていない」ということが垣間見えます。もちろん希望の党が次々に打ち出す問題がジェットストリーム状態になっているので、既存政党も有権者も目くらましを受けている状態なのかもしれませんが、とにかく政治に関心のある層は「希望の党が民進党からの移動で踏み絵を迫っている」というのが大きいようです。インパクト強くて。(2017.09.30)  続きを読む

衆院選2017 公示前情勢がすでにカオス

前原誠司さんの身売り的な小池百合子「希望の党」合流見込みで、大変な激震が走ったまま公示前の事前情勢に各社走っておりますが、蓋を開けてみると「意外と希望の党に支持が集まっていない」状況であることが分かってきて、おや? という感じであります。候補者が出そろう前に各党の得票傾向を把握するために行われる「比例代表での投票先」では、全国で自民39、希望22。読売が出した調査結果で自民34、希望19。もしも本当に希望の党で政権交代を目論むのであれば、少なくとも現時点で自民党と拮抗した数字が取れていないとなかなか大変であろうことを考えると、ちょっとまだ全然足りない状態であると言えます。(2017.09.30)  続きを読む

「民進党」事実上解党と日本の政治が変わっていくべきこと

北朝鮮のミサイル問題で支持率が回復した安倍政権が、状況の有利と言うよりは野党の退勢と足並みの乱れを突く形で解散総選挙に打って出ました。お陰でいろいろ余波が出て大変なことになっているわけですが、票読み的な実務上の論考を加える上で、今回の解散総選挙の意味について本稿では取り上げてみたいと思います(2017.09.29)  続きを読む

「民進党代表選」期待と埋没が織りなす状況について

あす9月1日の民進党臨時党大会で行われる民進党代表選ですが、概ね最終局面まで前原誠司さんの優勢が伝えられております。今回はグループインタビューのような調査は横断的に行われているわけではなく、またサンプル数の少ない調査票でしか傾向分析がされていないうえに、臨時党大会の場で投票するものではなくすでに党員・サポーターは投票済みの人も多いようなので、おそらくはそのまま代表がすんなり決まる形になるのではないかと見られます。(2017.08.31)  続きを読む

縮む地方と「奴隷労働」の実態

先日、ブルームバーグで日本の地方経済の現実を端的に表す記事が掲載されていて、「ああ、これか」と膝を打ちました。もちろん、地方経済が人口減少で身動きが取れなくなっている、という本筋は同意するほかありません。しかしながら、この記事には「最低賃金では日本人の若い労働者が来ない」ので外国人実習生などに頼らざるを得ない、高齢者はこの先何年いられるか分からないという流れになっています。実のところ、私がほんのり福島県の復興のお手伝いをしているときに、地方の産業に貸し付けている金融機関の諸情報を拝見する機会があり、ほぼ相似形の問題を起こしていたのがこの「奴隷労働」問題です。(2017.08.31)  続きを読む

「なし崩し」移民増加に日本社会は如何に対応するか

日本では移民を受け入れることそのものについて、議論される機会が少しずつ増えてきました。ウェブニュース界隈でも「移民」のキーワードは増えてきており、最近では過疎に悩む地方が外国人実習生に労働力を依存する記事も出るなど、そぞろ話題になっていくと思います。(2017.08.29)  続きを読む

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