やまもといちろうの記事一覧

個人投資家、作家。1973年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員を経て、情報法制研究所・事務局次長、上席研究員として、社会調査や統計分析にも従事。IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作に携わる一方、高齢社会研究や時事問題の状況調査も。日経ビジネス、文春オンライン、みんなの介護、こどものミライなど多くの媒体に執筆し「ネットビジネスの終わり(Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など著書多数。
記事一覧: 342件

東京新聞がナビタスクリニックの調査を一面で報じたフェイクニュース気味の事態の是非

これはやってしまいましたなあ、と思うんですよね。こんなインチキが罷り通ってはいけないと思う部分もあるんですけれども、つまりはナビタスクリニックが行った抗体検査というのは、久住英二さんや上昌広さんが書いておられるように「あくまで、コロナウイルスへの感染が気になって不安になり、検査を受けたいと思い、ナビタスクリニックを知り、そこで一回5,500円の抗体検査を受けた200人の勇者」という限られた眷族が集った結果でしかないのですよ。(2020.05.01)  続きを読む

百貨店、アパレル、航空会社… コロナで死ぬ業種をどこまでゾンビ化させるべきか

百貨店を例にとると分かりやすいのですが、そもそも中国などアジア圏からの旅行者が日本でお買い物をして帰るという「インバウンドによる底上げ」で命脈を保っていた業種は、コロナウイルス禍による訪日旅行客の激減と共に死ぬ運命にあります。残念なことですが、業態全体がライフサイクルの終わりを迎え、そこへ通販の興隆で更なる苦境に陥ったところ、インバウンドに活路を求めたもののそこの命脈も絶たれたと言えます。(2020.04.28)  続きを読む

ポストコロナ:そろそろコロナ対策の出口戦略を考える

東京は4月27日の新規感染者数が39人と、油断は禁物ながら&検査数が微妙に少ないながらという条件付きで、そこそこ自粛の効果が出てきているようです。どっちにせよ大変であることには変わりないのですが、緊急事態宣言の延長も睨んだ話として、また、その後の日本経済の状況を考えると夏消費に向けてどうやって立て直していくのか、また、傷ついた部分の修復をどういう道筋でやっていくべきかという出口戦略もそろそろ真面目に考えていかなければならなかろうと思います。(2020.04.28)  続きを読む

【号外】安倍官邸『緊急事態宣言』経済と医療を巡る争い

4月7日、緊急事態宣言が総理大臣・安倍晋三さんから発令され、街角のコーヒーショップも地元のフィットネスジムも全部閉まり、駅前も人影がやや減っているかなという感じで推移しています。東京都でも、同日に東京都知事の小池百合子さんがさらに強い外出自粛要請を出し、危機感を露わにしております。(2020.04.08)  続きを読む

ガースーVS百合子、非常事態宣言を巡る争い

前回のメルマガの冒頭でも言及しております新型コロナウイルス関連の話ではございますが、続々と情報が集まってきた結果、どうも官房長官の菅義偉さんが「新型コロナウイルスでの国家非常事態宣言に後ろ向き」ということで話が進んでおるようです。やはりフェイクニュースでもデマでもなく、東京都から(北海道が独断で行ったような)緊急事態宣言を実施して感染を食い止めたいという要望が安倍政権にあり、総理大臣である安倍晋三さんと小池百合子さんの間でショートトークがあり「官房長官の菅義偉さんが反対しているので、早期の緊急事態宣言は行えない」旨の返答が安倍総理の口からあったことになります。(2020.04.01)  続きを読む

人工呼吸器の問題ではすでにない

3月上旬のことですが、投資家グループの人たちと一緒に医療機器を製造している会社のヒヤリングをしていました。といっても、目的は単にコロナウイルス関連ではなく、スポーツ医療向けの特製機器の納品が大幅に遅れそうだというので話を聞きに行くという仕事だったのですが、そのころ、徐々に中国での医療機関のパンクは、命の選別、ICUの病床数の不足による問題だ、とすでに報じられ始めていたので話題になったんですよね。(2020.03.31)  続きを読む

パニック的なコロナウイルス騒動が今後社会にもたらすもの

いま東京に戻るガラガラの新幹線の中で、この記事を執筆しております。3月25日ですが、自宅に帰るころには26日になっていることでしょう。コロナウイルス禍においては、私自身は専門外なのでそれそのものを語るのは良くないことだと思っています。一方で、対策において先般来賓がありいろいろ詳しくお話を伺う機会があり、また過去に政策シミュレーションに参加した際に経験したことと似たような経緯を辿っていて非常に興味深いわけです。(2020.03.30)  続きを読む

「嫌われJASRAC」が地裁裁判で無事勝利の報

JASRACの裁判は、無事に勝利に終わったようですが、なんかこう、泣けるほどJASRACが嫌われているだけでなく、ネットでも「地裁ふざけんな」などの書き込みが殺到するほど呪われている感じがしてどうもなあと思うわけです。JASRACが本当に有害で、問題のある団体だとするならば、作曲家など権利者がJASRACに権利を預けておくことなどありませんし、他の著作権管理団体に移ればいいだけのことです。そうはならないということは、権利者はJASRACの方針ややり方に概ね満足しているということではないかと思います。(2020.02.29)  続きを読む

サイボウズ青野社長の手がける「夫婦別姓裁判」高裁門前払いの必然

私・山本一郎個人としては、夫婦別姓は選択できるならばさっさと実現したほうがいいと思うんですよ。それによって、国や社会に不利益がありますか? 奥さんが旧姓を名乗れるというのは問題ないであろうし、苗字が変わることで仕事に差し障りがある人はもちろん、旧姓のほうが気に入っている場合や、将来離婚する可能性すら低くない現代においてはむしろ苗字を入籍時に変更することが定着しているのは基本的に女性にとって不利だと思うのです。(2020.02.28)  続きを読む

コロナウイルス(COVID-19)対策で専制・共産国家のやり方を称賛するのって怖ろしくない?

コロナウイルス禍については、先日産経新聞にもコラムを寄せていたのですが、中国・武漢やそれ以外の都市で文字通り「封鎖」され、住民の移動が制限されただけでなく、百度やアリババ、テンセントなど中国系各社が決済情報を元に「誰がどこに移動したのか」というホットマップを作成していました。しまいには、中国政府がマスクなどの備品を退蔵している住民に対してこれらの物資を「徴発」すると発表し、もちろん感染症対策が緊迫度を高めるにつれて対策を矢継ぎ早に打つ必要はあるんでしょうけど、あまりにも抑圧的過ぎて人権も何もあったもんではない状況になっています。大丈夫なのでしょうか。(2020.02.27)  続きを読む

ページのトップへ