現実をきちんと「見る」ことが難しい今こそお薦めしたい本

『ご依頼の件』星新一著

読書の原点

子供の頃に星新一のショートショートにお世話になったという人は、ずいぶん多いのではないかと思います。典型的なじっとしていられない子供だった自分にとっても、星新一ははじめて本というものに没頭させてくれた読書の原点でした。

彼の読者だった者なら誰しも、記憶に焼き付いて離れない“特別なお話”というのが一つはあると思いますが、自分の場合、特に本書に収録されている『夜の会話』がそれでした。内容は、一見するとある平凡な男のUFOそして宇宙人との遭遇を描いた軽いSFものという風なのですが、その実「現実はどうやって作る(作られる)のか?」「そもそも人がなにかを見るということとはどういうことなのか?」といった、唯識論的なテーマを扱ったお話になっているんです。

ここのところ、ますます時勢の変化が激しくなり、「現実」をきちんと「見る」ということが難しくなってきたという気がしています。そうした状況のなか、改めて“見通し”というもののありようを問う意味でも、この場をかり先のお話を紹介したいと思います。

1 2 3 4

その他の記事

名越康文メールマガジン「生きるための対話」紹介動画(名越康文)
日本人の情報感度の低さはどこからくるのか(やまもといちろう)
貧富の差がなくなっても人は幸せにはなれない(家入一真)
どんなに撮影が下手な人でも人を美しく撮れる黄昏どきの話(高城剛)
中国発「ビリビリ動画」の米NASDAQ上場と、日本の「ニコニコ動画」の終わりっぷり問題(やまもといちろう)
新卒一括採用には反対! 茂木健一郎さんに共感(家入一真)
今年の冬は丹田トレーニングを取り入れました(高城剛)
「投資」や「保険」としての移住(高城剛)
東京と台北を比較して感じる東アジアカルチャーセンスの変化(高城剛)
ゴジラは「映画」だーー本多猪四郎を語るために欠かせなかった7つの課題(切通理作)
小保方問題、ネトウヨとの絡み方などなどについて茂木健一郎さんに直接ツッコミを入れてみた(やまもといちろう)
これからのクリエーターに必要なのは異なる二つの世界を行き来すること(岩崎夏海)
金は全人類を発狂させたすさまじい発明だった(内田樹&平川克美)
実はまだいじくっている10cmフルレンジバックロード(小寺信良)
人事制度で解く「明智光秀謀反の謎」(城繁幸)

ページのトップへ