今回の件で個人情報は漏れていない
──根本的な話として、UDIDが漏れると我々のどんな個人情報が脅かされるのでしょう?
津田:UDIDそのものは、単なるデバイスに割り当てられた固有の端末番号なので、その一覧が漏れただけなら問題はありません。UDIDだけでは、使っている個人を特定することはできないですから。問題となるのはUDIDがほかの情報と紐付けられて利用されることですね。UDIDとほかの情報が組み合わされることで個人情報が悪用されるリスクが生まれる。アンチセックは犯行声明を出した際、「自分たちが盗み出したデータは、UDIDだけでなく、ユーザーの名前や住所、郵便番号、携帯電話番号なども含まれており、公開データからはそうした個人を特定するデータは削除した」と主張しました。[*9]
──それが本当だとすると、なぜそのようなことが?
津田:結論から先にいうと、今回の一件ではUDID以外の個人情報は漏れていないようです。それはあとで述べるとして、可能性としてアンチセックが主張していたような事態が想定されたので、ここまで大事になったんですね。その背景には、アップルがiOSで動くアプリの開発会社向けにUDIDを取得できる機能(API)を提供していたことがあります。そうすると何が起きる可能性があるか。例えば、開発会社が提供するウェブサービスをユーザーが利用する際、氏名や住所、電話番号といった個人情報を入力させ、その顧客データと、登録時に取得したUDIDを紐付けて1つのデータとして管理したとします。そして、管理者がザルでそのデータのセキュリティが甘くて盗み出されてしまったら、アンチセックが主張していたような何百万件の顧客情報漏洩が現実のものになるわけです。
その他の記事
|
G20直前で思うこと(やまもといちろう) |
|
円で請求される燃油サーチャージに隠されたおかしな仕組み(高城剛) |
|
「風邪のときは食べないで胃腸を休めなさい」は本当?(若林理砂) |
|
Appleがヒントを示したパソコンとスマホの今後(本田雅一) |
|
ソフトキーボード、ほんとうに「物理キーと同じ配列でいい」の?(西田宗千佳) |
|
嗤ってりゃいいじゃない、って話(やまもといちろう) |
|
39歳の私が「人生の復路」に備えて考えた3つのこと(編集のトリーさん) |
|
なぜ忘年会の帰り道は寂しい気持ちになるのか――「観音様ご光臨モード」のススメ(名越康文) |
|
空港を見ればわかるその国の正体(高城剛) |
|
「群れない」生き方と「街の本屋」の行方(名越康文) |
|
いつか著作権を廃止にしないといけない日がくる(紀里谷和明) |
|
孫正義さん、周りに人がいなくなって衰えたなあと思う件(やまもといちろう) |
|
米大統領選に翻弄されるキューバのいま(高城剛) |
|
週刊金融日記 第283号 <ショート戦略を理解する、ダイモンCEOの発言でビットコイン暴落他>(藤沢数希) |
|
週刊金融日記 第277号 <ビットコイン分裂の経済学、ハードフォーク前夜の決戦に備えよ他>(藤沢数希) |











