城繁幸
@joshigeyuki

メルマガ『サラリーマン・キャリアナビ』より

ワタミ的企業との付き合い方

明確な目的を持って入社する

筆者の知人に、佐藤氏という人物がいる。彼は東大からキャリア官僚として経産省に進み、20代で、ある民間企業に転職した。その転職先とは他でもないワタミである。

「なんでそんな転職をしたんだ!」

と疑問に思った人も多いはず。何を隠そう、筆者も最初はそう思ってしまった。ただ、そこには明確な目的があったという。

彼には「飲食店を起業する」という昔からのビジョンがあり、渡邉社長の起業本もすりきれるほど読んでいた。ただ、ゼロから飲食店を経営するのはハードルが高い。というわけで、かつて渡邉氏がつぼ八で学んだのと同様に、ノウハウを得るべく修行として入社したわけだ。これは非常に合理的な行動だろう。

ちなみに、本人の起業は失敗してしまったが、その後はシンクタンクに再就職して会社法関係の本も出版、現在は山形市長選で次点につけるなど、なかなか興味深いキャリアを継続中だ。起業というビジョンはとん挫してしまったものの、20代で事業を俯瞰的に眺めるという視点がキャリア形成に役立っていることは言うまでもない。

1 2 3 4
城繁幸
人事コンサルティング「Joe's Labo」代表取締役。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種メディアで発信中。代表作『若者はなぜ3年で辞めるのか?』『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』『7割は課長にさえなれません 終身雇用の幻想』等。

その他の記事

なぜ東大って女子に人気ないの? と思った時に読む話(城繁幸)
コロナで変わる観光客とビジネス客の流れ(高城剛)
『風の谷のナウシカ』宮崎駿著(名越康文)
完全な自由競争はファンタジーである(茂木健一郎)
なぜ「もしドラ」の続編を書いたのか(岩崎夏海)
いじめ問題と「個人に最適化された学び」と学年主義(やまもといちろう)
最近「オタク叩き」の論調がエクストリーム化して理解が非常にむつかしい件(やまもといちろう)
夏の終わりに不老不死の可能性を考える(高城剛)
「10年の出会い、積み重ねの先」〜日本唯一のホースクリニシャン宮田朋典氏による特別寄稿(甲野善紀)
俺たちにとって重要なニュースって、なんなんでしょうね(紀里谷和明)
Kindle Unlimitedのラインナップ変更は「日本への対応」不足が原因だ(西田宗千佳)
今年買って印象に残ったものBest10(小寺信良)
「意識高い系」が「ホンモノ」に脱皮するために必要なこと(名越康文)
季節にあわせた食の衣替え(高城剛)
本気でスゴイ!手書きアプリ2つをご紹介(西田宗千佳)
城繁幸のメールマガジン
「『サラリーマン・キャリアナビ』★出世と喧嘩の正しい作法」

[料金(税込)] 550円(税込)/ 月
[発行周期] 月2回配信(第2第4金曜日配信予定)

ページのトップへ