高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

日本は経済活動の自由がある北朝鮮

民主主義by docomo

J「日本の民主主義やマスコミはどうなってるの?」

T「ヨーロッパのような民主主義はないよ。報道の基本中の基本である中立姿勢のマスコミもない。バブル崩壊からはじまった日本の民主主義2.0ともいうべきものは、企業の提供を受けるようになったんだ。民主主義by docomoのようなね。あらゆるものが企業中心というか経済活動優先。そのドコモに唯一ものを言えるのは、マスコミではなく官僚。数年前にあたらしい政党になって、さらに官僚が実権を握ったんだ。本来、そのようなことを監視するマスコミは、国民向きではなくスポンサーよりで、完全な営利企業で自主規制ばかりで、フェアな第三者的なスタンスに立ってはいない。ニュース番組でさえ、特定企業の提供プログラムだからね。だから、どうでもいいバラエティばかり。中国でさえ、バラエティ番組の多さが問題になって規制かけているけど、日本はいくら放送しても自由。経済活動優先だからね。その官僚に唯一ものが言えるのが、アメリカって構造かな」

J「国民は怒らないのか?」

T「怒らないよ、たぶんあまりわかってないからね。デモもほとんどないし、目立つと、どこにもいられなくなるから、お互いをお互いに監視してるんだ。監視から外れる行動をすると、立場みたいなものがなくなるんだ。あと事実上の人権も。だから、個人が勝手に発言や行動を自主規制してるんだ」

J「なんで東京の街は看板だらけなの?」

T「日本は経済活動は自由な国家だから」

J「じゃあ、俺が渋谷の交差点で大声で歌っていいかい?」

T「そりゃすぐに逮捕だよ。日本は個人の自由はないんだ。目立つと下手すりゃ逮捕。でも企業の経済活動は個人の自由が犠牲にされても優先されるんだよ。だから、渋谷の駅前で個人は大声で歌ってはいけないけど、風俗同然の広告自動車が音楽をガンガンかけて街を周回するのはOKなんだけど」

J「なぜ、町中カジノ(パチンコのことを言ってる)なの?」

T「だから、経済活動は自由だからだよ」

J「違法じゃないのか」

T「実際に行なわれている換金は違法だよ。でも、事実上経済活動は自由なんだよ。だから、グローバリゼーションとか言ってるけど、実は大前提である公明正大であることや国際的道徳観に日本は合わせる事はできないんだ。ビジネスの問題じゃなくね」

1 2 3 4
高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

その他の記事

「VRでサッカー」を堪能する(西田宗千佳)
相反するふたつの間にある絶妙なバランス点(高城剛)
“スクランブル化”だけで本当の意味で「NHKから国民を守る」ことはできるのか?(本田雅一)
メディアの死、死とメディア(その3/全3回)(内田樹)
名越康文メールマガジン「生きるための対話」紹介動画(名越康文)
ZOZOSUITのビジネススーツ仕上がりが予想以上に残念だった理由を考える(本田雅一)
ようこそ、あたらしい体験「サウンドメディテーション」へ(高城剛)
「日本の電子書籍は遅れている」は本当か(西田宗千佳)
1980年代とフルシチョフ(岩崎夏海)
kindle unlimitedへの対応で作家の考え方を知る時代(高城剛)
『寄生獣・完結編』の思わぬ副産物/『幕が上がる』は和製インターステラーだ!ほか(切通理作)
あれ、夏風邪かも? と思ったら読む話(若林理砂)
そんなに「変」じゃなかった「変なホテル」(西田宗千佳)
辻元清美女史とリベラルの復権その他で対談をしたんですが、話が噛み合いませんでした(やまもといちろう)
「英語フィーリング」を鍛えよう! 教養の体幹を鍛える英語トレーニング(茂木健一郎)
高城剛のメールマガジン
「高城未来研究所「Future Report」」

[料金(税込)] 880円(税込)/ 月
[発行周期] 月4回配信(第1~4金曜日配信予定。12月,1月は3回になる可能性あり)

ページのトップへ