悩む学生たち
僕は今、週に一回、都内のある私立大学の国際教養学部というところで授業をしています。また先日、九州にあるやはり国際的に学生が集まることで知られている大学で学生たちと交流してきました。さらに別件で上杉隆さんの母校の学生たちとも話し合ったり、このところ、たくさんの学生たちの本音を聞く機会があったんですね。
それで日本の学生たちが抱える問題には、いくつか要素があることに気が付きました。一つは「就職活動」が大きな足枷になっているということですね。そこには新卒一括採用など制度的な問題があると思います。
ただ彼らの直面している問題はそれだけではないんです。僕が感じたもう一つの大きな問題は、今の日本の大学生は「何を勉強すればいいのか」についてすごく迷ってしまっていることなんです。
それが学生たちと話すことでひしひしと伝わってくるんです。例えば、英語の勉強はどの程度やるべきなのか。すべて英語で発信して、日本なんか捨てて世界に打って出るんだという人もいる一方では、「私は外国に行くなんて無理だから」と日本の中で生きていくんだから英語なんていらないという人もいる。英語の学習一つを取っても、「こうすればいい」ということになっていないですね。
一番、興味深いと思ったのは、学力観がすごく揺らいでいることです。「偏差値」や「センター試験の合格ライン」などで大学を選んだ人もいる一方で、多くの大学でAO入試が採用され始めたことで、いわゆる普通のペーパーテストを受けずに大学に入学する人も今はたくさんいます。それで「何をもって学力とするか」ということについて、コンセンサスが取れなくなってきている。
そんな彼らと話していて、僕が頭の中でずっと考えていたのは、「僕が今、大学生だったら、就活生だったら、あるいは高校生だったら、いったい何を勉強するだろうな」ということだったんです。

その他の記事
![]() |
長寿県から転落した沖縄の光と影(高城剛) |
![]() |
11月の『漆黒と灯火』例会、ゲストは乙武洋匡さん。また当メルマガで乙武洋匡さんとの対談連載が開始されます(やまもといちろう) |
![]() |
「民進党代表選」期待と埋没が織りなす状況について(やまもといちろう) |
![]() |
闇が深い国際ボクシング協会(AIBA)の問題点(本田雅一) |
![]() |
旅行需要急増でのんびり楽しめる時間が残り少なくなりつつある南の島々(高城剛) |
![]() |
人は生の瀬戸際までコミュニケーション能力が問われるのだということを心に刻む(やまもといちろう) |
![]() |
腰痛対策にも代替医療を取り入れる偏執的高城式健康法(高城剛) |
![]() |
「朝三暮四」の猿はおろかなのか? 「自分の物語」を知ることの大切さ(福岡要) |
![]() |
夫婦ってなんなんだ、結婚ってなんなんだ(切通理作) |
![]() |
手習いとしてのオンライン・エデュケーションのすすめ(高城剛) |
![]() |
注目のスーパーフード、食用大麻で腸内環境の改善を目指す(高城剛) |
![]() |
多くの若者がホリエモンを誤解している(岩崎夏海) |
![]() |
それなりに平和だった夏がゆっくり終わろうとしているのを実感する時(高城剛) |
![]() |
史上最高値をつける21世紀の農産物(高城剛) |
![]() |
【告知】私の経営情報グループ『漆黒と灯火』がまもなく10周年に(やまもといちろう) |