小寺信良のメールマガジン「金曜ランチボックス」対談:Small Talk

「テキストをwebで売る」のこれからの話をしよう

 

ルールが変わるビジネスモデル

小寺:インプレスは広告モデルで動いてるわけなんですけど、Engadgetの収益って、やっぱり普通の広告モデルなわけですか?

 

鷹木:基本的には広告なんですけど、やっぱり純広(純粋広告)みたいなのは売上がどんどん下がってるんで、純広は僕らとしては増やせない。逆に、タイアップ的なものとか、イベントみたいな形で収益を増やしていくしかないね、みたいな話をしてます。

反応がすごくあるメディアなので、もしかしたらリアルのイベントというのいいよね、と思ってやり始めたのが部活動イベントみたいなことだったですよ。実際やるとですね、1週間とか2週間の告知で50人ぐらいすぐ集客できちゃうんですよ。これけっこう驚きで。普通は1カ月くらいかけてやるんでけっこう大変なんですけど、思いついて「じゃやろっか、2週間後」とかですぐ集まっちゃうんで。

やっぱり、皆さんすごく、僕らのポストに対しての反応が生々しいな、と。で、調子に乗ってこないだみたいなイベントをやったら、最終的には911人いらっしゃってくださって、それ自体も僕的にはけっこう驚きというか。

Engadget Fes 2014

ただ収益のところは本当に、実は完全に見えてるわけじゃないんですよ。おっしゃるようにメルマガみたいなマネタイズプランってやっぱりタイトで、相当針の穴を通すようなことをやんないと儲からないし。今タイアップはけっこう売れてますけど、でもタイアップってスケールしないんですよね。たとえば今年間に30本だったとして、これを300本やれるのかというと、たぶんやれないんですよ。

その中で、イベントの収益性みたいなところに今うちは来てるのかな、と。AOL自体はけっこう米国ではイベントをやっていて、それはウケてるんですね。ただそれは米国独自の事情があると思っていて。向こうって中核都市みたいなのが各場所にあるじゃないですか。たとえばTechCrunchとかだと、大きいイベントって、TechCrunch disrupt San Franciscoとか、TechCrunch disrupt NYみたいなことを年間2回ぐらいやってて、それに到るまでにTechCrunchのイベントを各中核都市でツアーしてるんです。

 

小寺:ああー、なるほど。全国ツアーで回ってんだ。

 

鷹木:彼ら自身の宣伝にもなるし、そこそこの都市でそれなりの収益を上げていって、主要都市でドカーン、みたいなことをやってる。じゃ日本でそれできんの? みたいなこともちょっと考えてはいるんですけど……たとえば東京で1000人集客しました、これぐらい儲けました、じゃ大阪で500人集められるのかとか言われたら、まあちょっとわかんないという。

 

小寺:うーん。たしかに大都市間でも、温度差けっこうあるんですよね。

 

鷹木:ま、もしかしたら東名阪はうまくいくのかもしれないけど、じゃ福岡とか札幌とか、もしくはもっとその下の中核都市みたいなのが果たして市場性があんのか、みたいなところがちょっと怖いというか、読めない。

 

小寺:うん。

 

鷹木:ただ実際やるんだったら、本当はそういう全国ツアーみたいなことをやるべきなんじゃないかなと思ってはいます。

1 2 3

その他の記事

『「赤毛のアン」で英語づけ』(3) 〝大事なこと〟にはこだわっていい(茂木健一郎)
僕たちは「問題」によって生かされる<後編>(小山龍介)
人は何をもってその商品を選ぶのか(小寺信良)
小笠原諸島の父島で食文化と人類大移動に思いを馳せる(高城剛)
「罪に問えない」インサイダー取引が横行する仮想通貨界隈で問われる投資家保護の在り方(やまもといちろう)
「プログラマー的思考回路」が人生を変える(家入一真)
私の経営情報グループ『漆黒と灯火』の会員を募集したら一日で枠が蒸発した(やまもといちろう)
「暮らし」をシェアする時代がくる? 注目のシェアリングエコノミー(家入一真)
夫婦ってなんなんだ、結婚ってなんなんだ(切通理作)
未来系南の島・香港から日本の将来を占う(高城剛)
一年のサイクルが循環して再びスタートする冬至を迎えて(高城剛)
『戦略がすべて』書評〜脱コモディティ人材を生み出す「教育」にビジネスの芽がある(岩崎夏海)
世界的な景気減速見込みで訪れる「半世紀の冬」(やまもといちろう)
ウクライナ問題、そして左派メディアは静かになった(やまもといちろう)
『「赤毛のアン」で英語づけ』(2) 何げないものへの〝感激力〟を育てよう(茂木健一郎)

ページのトップへ