やまもといちろうの記事一覧

個人投資家、作家。1973年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員を経て、情報法制研究所・事務局次長、上席研究員として、社会調査や統計分析にも従事。IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作に携わる一方、高齢社会研究や時事問題の状況調査も。日経ビジネス、文春オンライン、みんなの介護、こどものミライなど多くの媒体に執筆し「ネットビジネスの終わり(Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など著書多数。
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自民党総裁選目前! 次世代有力政治家は日本をどうしようと考えているのか

29日投開票が行われる自由民主党の総裁選ですが、概ねの下馬評通り国民・自民党員の声望を受けて党員票大量確保に望みをかける河野太郎さんが徐々に苦戦、一回目の投票で過半数を超えられない情勢になってきました。決選投票では383票あった党員票ではなく47票の都道府県代表による投票になりますので、必然的に党員よりも議員からの声望を集めている議員が有利になることもあり、河野太郎さんよりも議員間での声望の高い岸田文雄さんが決戦投票に残る見込みになりますと一気に岸田政権誕生へと弾みがつくことになります。今回は野田聖子さんの駆け込み出馬という面白い現象もあり、当初は「河野太郎票を割るための出馬」と横に見られていたものの、いざ蓋を開けて総裁選を始めてみると野田聖子さんがいたので次世代を担う男女同数の自民党有力議員が政策を巡ってアピールし論戦するというスタイルになって実に見栄えの良い総裁選となりました。(2021.09.28)  続きを読む

「控えめに言って、グダグダ」9月政局と総裁選

8月31日深夜になって、突然「総理・菅義偉さんが9月中の解散を模索している、と有力議員から情報提供があり、関係先の情報収集をしている」という、ちょっとビックリな騒ぎが発生。事実とするならば、すでに決まっている9月17日告示、29日党大会で投開票との自民党総裁選が延期になる話で、そんなことはもう動かないと思っていた調査方も大騒動で、それであれば来週にも臨時国会、そこで解散という話になると10月17日投開票日と思って動いていた人は肩透かしであります。(2021.09.01)  続きを読む

弛緩の自民党総裁選、低迷の衆議院選挙見込み

自民党総裁選が「9月17日告示・同29日開票」で決定し、すでに岸田文雄さん、高市早苗さんの立候補が表明されておりますが、下村博文さんが出馬を早々に発表しながら安倍晋三さんに引導を渡され菅義偉さんに「立候補するなら政調会長を降りろ」と当然の圧力がかかって出馬見送り。逆に一度は出馬見送りを表明したはずが、ここで出なければもう二度と総裁選に出られないかもしれないという話が周辺で渦巻いた結果、煽られて出馬に含みを持たせる発言を石破茂さんがして、これはこれでどうなのだという話になっております。どれもこれも非常に素敵な人間ドラマだなあと思いつつも、目の前の感染症対策やそれに伴う経済対策どうするよというところで総裁選の機運があまり盛り上がりません。(2021.08.31)  続きを読む

環境省が目論む「炭素税」の是非と社会転換の行方

炭素税についていよいよ本丸であるところの環境省から議論が出てきました。炭素税を含むグリーン税制の問題は、私も門外漢ながらいろいろとヲチさせていただいてきたのですが、いわゆる「三重の配当論」や、カーボンプライシングを社会実装するためにどういう税負担を行うのが国民にとって適切かという話になるのは当然のことです。(2021.08.27)  続きを読む

FATF勧告でマネーロンダリング日本不合格の後始末

昨今最高に揉めている一件がこの「FATF勧告で日本は不合格に値する重点フォローアップ国にランク付けされる」という話でありまして、これは端的に言えば、日本のアンチマネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与対策のことです。報じられている内容はあくまで2018年時点でFATF参加国の相互検証において適格なこれらのAML/CFT対策が取られていたかということなのですが、その後、日本では次々に違法な犯罪収益移転の疑いのある資金流出が明らかになっており、19年にはアメリカ通貨監督庁(OCC)から三菱UFJ銀行が名指しでアンチマネーロンダリングの対策を徹底するよう要望を出されて、一定の合意をさせられるという事態にまで発展しました。(2021.08.02)  続きを読む

パラリンピック「中止」の現実味と、五輪中止運動のこぶしの下ろし先

東京都内の感染者数だけで4,000人の大台に乗りまして、また、8月中の都内感染者の予測が中央値でも1万人を超えそうだという流れになりました。結構大変なことだと思うのですが、先日別件でオリパラ関係の責任者に呼ばれて会議に出席したところ(それもリアル会議)、冒頭から「感染者の増大は想定の範囲内で、特段の問題を感じていない」と宣言され、じゃあ何のために私はこの会議に呼ばれたのだろうと不思議に思った記憶がございます。(2021.08.01)  続きを読む

出口が見えない我が国のコロナ対策の現状

このメルマガの月末恒例巻頭言を書いている最中にも揉め事や困り事の連絡は多数届くわけなんですが、五輪前から夏休みの感染症対策や夏場の経済息切れへの追加予算などさまざまな検討が全部見送られ、それらの理由も単純に「本当に五輪開催が大変だから」と「ワクチンが計画通り水揚げされず、9月末以降も見通せなくなりかねないから」という微妙な内容だったためにガックリ来ておるわけですよ。確かにワクチンを2回きちんと打っていれば重症化しないとはいえ感染すればキャリアとなり他の人に伝染させる可能性はありますから、いままで通り以上の対策が必要であることは言うまでもありません。(2021.07.31)  続きを読む

「ワクチン接種」後のコロナウイルスとの戦いは「若者にも出る後遺症」

ワクチン接種については第三コーナーを回ろうかというところで「ワクチン供給の多難」イベントが発生し、自治体向けワクチン供給や広がった職域接種にブレーキをかけなければならない段階に突入しました。正直これは起きることだなと思っておりましたし、そもそも昨年のファイザー社の基本合意やヨーロッパからのワクチン輸出においては「オリンピックを開催するので優先的にワクチンを回してください」というロジックも一部に入っておりました。したがって、東京オリンピック・パラリンピックが閉幕する9月4日よりも後の接種体制について物量を用意してくれる保証はすでに無くなっていることも考えれば、ワクチン輸入体制が絞られかねない怖れは以前からあって、今回それが顕在化したよねという話に違いはありません。(2021.06.30)  続きを読む

次々回衆議院選挙10増10減の恐怖と有力政治家国替え大作戦の今後

 Twitterでふらりと10増10減と国替えについて書いたところ、ジャーナリストや経済学者の皆さまなど大物が次々と言及、またDMをくださいまして大盛況になりました。ありがたいことです。というのも、今回総務省から出た一票の価値を2倍以下にする選挙区区割り改正案が出まして、当初の予測通り10増10減で決まりそうです。前回は0増6減で定数単純減となった一方、今回はなかなか騒ぎになりそうな内容になっています。(2021.06.30)  続きを読む

大揉め都議選と「腐れ」小池百合子の明るい未来

この「腐れ」というのは某都民ファースト関係者の方の暴言です。ただ何というか、都民ファーストの都議の中にも結構まともな人はおられて、一桁ちょっとかもしれないけれども議席を守る人は東京都民にとって大事な人物に育つ可能性はあります。注目してきたいと思うんですよ、かなりの都ファの都議が一期で死に絶えるとしても。で、問題となるのはその「腐れ」の理由なんですが、やはり大きいのは「都民ファーストは小池百合子さんが主宰した私党としてスタートした、比較的まともな人たちの集う政党であった」という点です。(2021.06.30)  続きを読む

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