やまもといちろうの記事一覧

個人投資家、作家。1973年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員を経て、情報法制研究所・事務局次長、上席研究員として、社会調査や統計分析にも従事。IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作に携わる一方、高齢社会研究や時事問題の状況調査も。日経ビジネス、文春オンライン、みんなの介護、こどものミライなど多くの媒体に執筆し「ネットビジネスの終わり(Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など著書多数。
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近頃人気があるらしいコンサルタントという仕事の現実とか

コンサルタント業務は結構奥の深い仕事で、仕事柄、込み入った相談をされるにあたり、特定の企業の経営者や政府機関の枢要な人にお目にかかって、貴重なお話を承ったうえで抱えている問題について知ってしまうことがあります。(2020.01.31)  続きを読む

優れた組織、人材でも、業界の仕組みが違うと途端に「能無し」になってしまう話

身の回りで立て続けに異業界への進出に伴う大きなトラブルに見舞われている事案が発生していて、あるときは心配になり、またあるときは半分諦めモードになる私です。どうせやるならみんな上手くやりたいと思っているし、成功疑いなしと事業トップは思っていても、その足元ではボーボーに火柱が立っている、なんてことは普通にあります。もちろん、夢をもって異業界に進出するということは、掛け値なしに凄いことで、チャレンジです。実現できるなら応援したい。(2020.01.22)  続きを読む

ユーグレナのミドリムシ量産でバイオジェットとかの話はインチキなのではないか

長崎を拠点とするオリエンタルエアブリッジ社は、第三セクター方式による地域の足を航空機で提供する企業で、ユーグレナのバイオジェット燃料の供給を受ける代わりに、一部出資を受けるという報道がありました。ところが、その後さしたる続報はなし。むしろ、出てくるニュースは事故発生で引き返しましたとかいう話で、国土交通省に話を聞いてみても「バイオジェット燃料の話は具体的に進展があるとは聞いていない」と言われてしまう始末です。そのユーグレナ社は、なぜか史上最年少CFOとか言い始め、それどころじゃないだろうと思うんですよね。(2019.12.27)  続きを読む

安倍政権の終わりと「その次」

もう年明けに解散総選挙をする気力は安倍政権にはないでしょう。桜を見る会に始まり、萩生田光一さんの身の丈発言、小泉進次郎さんのセクシー発言その他、いわば「在庫一掃内閣」と揶揄された改造安倍内閣からはつまらないスキャンダルが目白押しで、令和への改元で一時期浮上した支持率も元通りかそれ以下になってしまいました。(2019.12.27)  続きを読む

自民党「カジノ収賄」の前後事情に見る「なんでこんな話に引っかかるのか」感

というわけで、留寿都でやらかしていた中華500ドットコム社がらみで、自民党の秋元司さんと、ブローカーをしていた紺野昌彦さんらが贈収賄を目指す外為法違反で摘発されてしまいました。また、周辺でうろうろしていた自民党の白須賀貴樹せんせのとこと、勝沼さんもガサ入れがあって、これはこれで引っ張られそうな雰囲気です。現状では起訴されて有罪判決が出ているわけでもありませんので、今後どうなるのかはよく分からんところではありますし、紺野さんはちょっと派手めではあるけどしっかりした人でもあるように見受けられるので、今後延焼をするにしてもどうなるのかちょっと予想がつかない部分ではあります。(2019.12.26)  続きを読む

もう少し、国内事業者を平等に or 利する法制はできないのだろうか

私は自由貿易主義者で、国民に一方的に損害が発生しないようであればなるだけ規制は撤廃して、経済活動を自活的、自律的にやっていったほうが良いという考えを持っています。しかしながら、どうも国内でこの手の議論をしていると、前回メルマガで書いたような、ソーシャルゲーム業界とEMAの関係に見られる「国内事業者だけが縛られる法律」が出来て、そのように運用された結果、国内市場が法律に縛られない第三国の事業者が海外にサーバを立てて運営するサービスに席巻されてしまう、という現象を引き起こします。(2019.11.30)  続きを読む

開成中高校長「『勉強しなさい』を言ってはいけない」教育論の波紋

最近、開成学園の中学高校の校長である柳沢幸雄さんの教育論が、あちこちで反響を呼んでいるので、とても気になって見ております。私は1973年のベビーブーム生まれ、中学受験を経験しているわけですけれども、そのときは同学年に子どもの数が多すぎて猛烈な受験戦争の渦中にありましたが、お陰様で受験に向いた頭脳と性格をしていたためか、開成、慶応中等部をはじめ各校の合格を頂戴して、激しい受験勉強の反動で凄まじい反抗期を迎えいまに至ります。(2019.11.29)  続きを読む

何とかなった日韓GSOMIA「パーフェクトゲーム」の苦難

政府高官が余計なことを言ったため、それはちょっとという感じにはなっていますが、概ね話はまとまったようで、これから波高しと言えども一定の道筋ができるのかなと思います。個人的には「パーフェクトゲームだっただなんて言わなければ良かったのに」とか「そういうことは事象を第三者が評するときに使うべきものじゃないの」などと思ったりもしますが、思いのほか、安倍外交の画期的勝利の結果に終わったのだと言う人も多く自画自賛もやむなしといったところなのでしょうか。(2019.11.29)  続きを読む

「身の丈」萩生田光一文部科学相の失言が文科行政に問いかけるもの

実に良くない時期に、望ましくない発言が飛び出して大変な騒ぎになっております。そもそも英語民間試験をやることが大学入試改革の大きな柱になること自体が問題なのですが、一方で教育の機会が地方で貧困である現実が改めて浮き彫りになり、また、それを自民党議員も一応はそれと知りつつも、学習や教育機会の均等には話が進まないままの英語民間試験が期日通り行えなさそうだということに「現場が『ふざけるな』」と言っているあたりに、我が国の教育問題の根深さを知るところであります。(2019.11.01)  続きを読む

「国際競争力」のために、何かを切り捨ててよいのか

1992年、大前研一さんが提唱していた「平成維新(の会)」はなかなか衝撃でありまして、まだ当時は「新自由主義」というものが何者か皆良く分かっておらず、失われた10年の立役者でもある竹中平蔵さん(と故・与謝野馨さんの戦いのなか)で「あ、これはアカンのでは」となるまで日本再興のビジョンとして輝きを放っていました。もちろん、後講釈で言えば単に日本の政治が混乱しただけだったんですが、私も「確かにこれはそのまま実現したら面白いんじゃないか」と柄にもなく興奮したこともありましたし、選挙の手伝いに駆り出されていろいろやったりしました。90年代は、まだ日本は上を見ていられた時代なんですよね。(2019.10.29)  続きを読む

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