やまもといちろうの記事一覧

個人投資家、作家。1973年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員を経て、情報法制研究所・事務局次長、上席研究員として、社会調査や統計分析にも従事。IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作に携わる一方、高齢社会研究や時事問題の状況調査も。日経ビジネス、文春オンライン、みんなの介護、こどものミライなど多くの媒体に執筆し「ネットビジネスの終わり(Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など著書多数。
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虚実が混在する情報の坩堝としてのSNSの行方

米大統領選を左右した可能性もあるということなどからフェイクニュース問題が注目されて以降、SNSを中心にネット上で流通する情報の信頼性をどう担保するかが大きな課題となりつつあります。かなり突き放した考え方の一つとしては、誰もが自由に書き込みできるようなネット上の掲示板やSNSなどで流布される言説の類は、いわゆる“チラシの裏”に書き込まれた戯れ言同然であるという認識で受け止めるのがネットリテラシーの第一歩であると割切ってしてしまえばそれで済む話なのかもしれません。(2018.09.30)  続きを読む

日本人の情報感度の低さはどこからくるのか

夏の終わりに臨時のヘルパーさんをお願いするなどして、少し休みを取り、家族を連れて結婚式出席がてらグアム、ハワイと西海岸、豪州へとラッシュ旅行をしてまいりました。海外から見た日本は非常にバイアスがかかりやすく、日本すげえ一辺倒か、出羽守的な日本は劣化した論に振れやすくなるのですが、個人的には一長一短、昔ながらの日本観、日本人論でもそう大きく変わりのない日本の姿でした。ただ、政府関係者の方とご一緒してみると、この日本の存在感のなさは端的に言って中国や中東諸国の混乱や成長、台頭との相対的なものであることに気づきます。(2018.09.28)  続きを読む

安倍三選と野党支持低迷時代の思考法

自民党総裁選を控え、安倍晋三総理が総裁三選を確実なものにする一方、枝野幸男さん率いる立憲民主党も支持が低迷、野党全部合わせても20%にも満たない政党支持率に落ち込むという非常に退廃とした政治環境に陥っているのは何故なのでしょうか。(2018.08.31)  続きを読む

米豪だけでなく日露も導入を見送る中国通信機器大手問題

本来、当メルマガではあまり込み入った特定銘柄の話はしない方針ではあるのですが、このほどアメリカでは安全保障上の理由で正式に中国系通信機器大手、HUAWEI(華為)社、ZTE(中興通訊)社の2社については先行して使用禁止という決着になり、米中貿易問題のきっかけを作りました。(2018.08.31)  続きを読む

結局「仮想通貨取引も金商法と同じ規制で」というごく普通の議論に戻るまでの一部始終

すでに報道されましたが、金融庁の「仮想通貨交換業等に関する研究会」も大枠がだいたい見えるようになってきて、仮想通貨を実現している技術的な側面や、フィンテック的な金融関連技術の側面はおおよそのコンセンサスが定まりました。残される海外の利用事例や規制実態との整合性についてと、既存法令下であるべき仮想通貨取引の実態調査あたりが残って、お題目はともかくいま起きている問題についてさっさと取り締まりを進めましょうということで駒が進んだというのは大いに結構なことだと思います。(2018.08.22)  続きを読む

いまさらだが「川上量生さんはもう駄目なんじゃないか」という話

何をいまさら? という場外乱闘が起きているのですが、漫画村など問題のある海賊版サイトのブロッキング問題についてかねてから騒動となっていた件について、政府も海賊版対策を話し合う知的財産戦略本部の「インターネット上の海賊版対策に関する検討会議」(タスクフォース:第4回まで開催)でいろんな議論の積み直しをしております。当然、事業者の利益代表としてブロッキング推進に向け影響力を行使してきたカドカワの川上量生さんが議論の中で不思議な発言を連発、それが公的な場で行われているのでこの問題に詳しいメディアや法曹界の面々が相次いでツッコミを入れるという、かなり白熱した、というよりは見世物興行のような内容になってしまっているのが気になります。(2018.07.30)  続きを読む

そろそろ中国の景気が悪くなってきた件について

いま巷では米中貿易戦争ネタが大量流通しておりますが、トランプ大統領が少し気の触れた感じの変わった経済政策をやる前から、実のところ「中国経済は本当に大丈夫なのか」というような事態が多発しておりまして、気になっております。もちろん、13億人、沿海部だけで2億4,000万人も暮らしている中国を一つの経済圏として語るのは雑過ぎるわけでして、私どもが気にしているのはコンテンツ産業など知的財産を扱ったり、対外投資の本丸になっている不動産投資ファンドに関する動きの変化が気になっている、という話であります。(2018.07.26)  続きを読む

『好きを仕事にした』人の末路がなかなかしんどい

稼げないけど好きなことを仕事にしてしまうケースが周辺にあります。優秀なSEだった人がゲーム好きだからと一念発起してアプリ制作の仕事を始めてみたら、いわゆるツール系アプリの受託ばかりが来てしまって身動きが取れなくなったので、雇ってほしいとか。あるいは、庭いじりが好きな人が都会生活に見切りをつけて鎌倉や湘南で独立してみたら、すでにそこには安く庭園管理をする業者が行き届いていて、マーケットリサーチなき進出の失敗談のひとつになってしまうとか。まあ、いろいろあります。(2018.07.23)  続きを読む

細野豪志さんとJC証券が不思議なことになっている件で

例によって、細野豪志さんの政治活動をどうにかやりくりするための資金集めが問題になっていました。議員辞職するのでしょうか。良く分かりませんが、経緯についてはこれからいろいろ報道されるでしょう。まあ、その実態については推して知るべしなのですが、このJC証券は旧民主党元細野派田村謙治氏、和田隆志氏ら元細野派の元職国会議員の面々が取締役をしており、これらがソーシャルレンディング大手のManeoマーケットで資金を調達していたこともあって、細野さんに資金を貸与、提供していたという話に繋がってきます。返済するまでの3か月余りのあいだ、金利も払っていない状態ですので、まあ非常に厳しい案件ではありますが、普通こういうお金のつまみ方はあまりしません。(2018.06.30)  続きを読む

国会議員は言うほど減らすべきか?

参議院の定数を巡って論争が始まっていますが、自民党提案が定数6増という内容を巡って賛同と批判が出ております。内容としては事実上の拘束名簿への移行が「自民党の身勝手」と批判する内容です。すなわち、拘束名簿式ではあらかじめ政党が当選順位を決めて候補者リストを提出し、有権者は政党名を書いて投票するため、議員の知名度や能力評価、人気に応じて得票順となる現在の非拘束名簿式よりも政治改革が逆行するのではないか、という指摘があるわけです。(2018.06.30)  続きを読む

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