巨大金融機関を解体せよ
――今後は、どのようにすれば、健全な市場原理が働く「正しい金融機関」を作ることができると思いますか。
藤沢:世界金融危機の反省から、現在、大きすぎてつぶせない金融機関に対しては、リスクの高いトレーディング業務を禁止したり、めったにつぶれないように自己資本の積み増しをさせるなど、国際的な規制強化をしようとしています。こうして、金融機関からすれば、コストが上がっていくわけですから、どんどん儲からなくなってきている。まあ、「外資系金融の終わり」というわけです。
しかし、これは現在の大きすぎる金融機関をそのまま温存して監視していく、というある意味で保護主義、社会主義的なやり方です。僕は、根本的に、大きすぎる金融機関は、機能を分離したり、大きさに制限をかけたりして、つぶれてもいいようなシステムをつくっていくべきだと考えています。しかし、これは理想ですが、机上の空論でもあり、現実的にはむずかしいかもしれません。
金融機関というのは、多国籍化しているので、アメリカだけ規制しても、イギリスに穴が空いていたらダメですし、アメリカとイギリスで規制強化しても、スイスや香港、シンガポールに行くかもしれない。フランスやドイツは、相変わらず大きすぎてつぶせない巨大銀行を抱えています。金融の規制改革というのは、世界同時にやっていかないと意味がないので、なかなかむずかしいのです…。
その他の記事
|
「深刻になる」という病(名越康文) |
|
kindle unlimitedへの対応で作家の考え方を知る時代(高城剛) |
|
アーミテージ報告書の件で「kwsk」とのメールを多数戴いたので(やまもといちろう) |
|
あらためて「アメリカ放題」を解説する(西田宗千佳) |
|
宇野常寛特別インタビュー第5回「落合陽一のどこが驚異的なのか!」(宇野常寛) |
|
アーミテージ報告書を読み解く――日本は二等国でいいの?(やまもといちろう) |
|
「嫌われJASRAC」が地裁裁判で無事勝利の報(やまもといちろう) |
|
孫正義さん、周りに人がいなくなって衰えたなあと思う件(やまもといちろう) |
|
突然蓮舫が出てきたよ都知事選スペシャル(やまもといちろう) |
|
【号外】「漫画村」ブロッキング問題、どこからも被害届が出ておらず捜査着手されていなかった可能性(やまもといちろう) |
|
「表現」を体の中で感じる時代(高城剛) |
|
日本人の情報感度の低さはどこからくるのか(やまもといちろう) |
|
ダイエットは“我慢することでは達成できない”というのが結論(本田雅一) |
|
小笠原諸島の父島で食文化と人類大移動に思いを馳せる(高城剛) |
|
「大テレワーク時代」ならではの楽しみ(高城剛) |











