刺激は「生きる証」などではない
僕たちは生まれてこのかた「刺激を受けることこそが生きている証だ」ということを、刷り込まれて育ってきました。だから僕らは、刺激を受けないことを何よりも忌避しています。嫌味を言われたり、攻撃を受けたり、傷つけられたりしているほうが、何も刺激を受けないよりはまだマシだと心のどこかで思っているんです。
刺激がなくなることに対する、強い恐怖心を抱えている。僕らの心がそういう傾向を持っていることには、ぜひ目を向けてほしいと思います。
より刺激の強い「痛いエステ」でなければ、高い料金に見合わないと感じるように、僕らは強い刺激によって傷ついていないと自己確認できない、ある種の病に囚われているんです。少なくとも、僕らの心が刺激を求め、自ら傷つくことを求める側面を持っていることを知るだけでも、ずいぶん物事の見え方は変わってくると思います。
※本稿は名越康文メールマガジン「生きるための対話」2012年11月19日配信 vol.040「退屈は刺激依存症の別名」を基に再構成したものです。
また、この記事はラジオデイズ「こころカフェ season2 第4回 傷つきやすさ」での講義内容がベースとなっています。
ラジオデイズ「こころカフェ」の音源は、こちらからご購入いただけます。
名越康文氏新刊(2013年9月発行)
『驚く力 さえない毎日から抜け出す64のヒント』
著者: 名越康文
1575円(税込)
出版社:夜間飛行
単行本:四六判ソフトカバー 208ページ
ISBN-13:978-4-906790-04-3
発売日:2013/09/13
商品の寸法:127×188mm 厚さ=15.0mm
内容紹介
毎日が退屈で、何をやってもワクワクしない。
テレビを見ても、友達と話していても、どこかさびしさがぬぐえない。
自分の人生はどうせこんなものなのだろう――。
そんなさえない毎日を送るあなたに足りないのは「驚く力」。
現代人が失ってきた「驚く力」を取り戻すことによって、私たちは、自分の中に秘められた力、さらには世界の可能性に気づくことができる。それは一瞬で人生を変えてしまうかもしれない。
自分と世界との関係を根底からとらえ直し、さえない毎日から抜け出すヒントを与えてくれる、精神科医・名越康文の実践心理学!
『驚く力』取り扱い販売店一覧はこちら
http://yakan-hiko.com/book/odoroku_list.htm
送料無料のウェブショップはこちら
紀伊国屋ウェブストア
http://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784906790043
honto
http://honto.jp/netstore/pd-book_25789353.html


その他の記事
![]() |
物流にロボットアームを持ち込む不可解、オーバーテクノロジーへの警鐘(やまもといちろう) |
![]() |
なぜ若者に奴隷根性が植えつけられたか?(後編)(岩崎夏海) |
![]() |
チェルノブイリからフクシマへ――東浩紀が語る「福島第一原発観光地化計画」の意義(津田大介) |
![]() |
「脳内の呪い」を断ち切るには(西條剛央) |
![]() |
除湿、食事、温灸……梅雨時のカラダ管理、してますか?(若林理砂) |
![]() |
「政治メディア」はコンテンツかプラットフォームか(津田大介) |
![]() |
会員制サロン・セキュリティ研究所が考える、日本の3つの弱点「外交」「安全保障」「危機管理」(小川和久) |
![]() |
トランプさん滅茶苦茶やりすぎた結果が出始めるのではないかという恐怖(やまもといちろう) |
![]() |
今週の動画「払えない突き」(甲野善紀) |
![]() |
「本当かどうかわからない数字」に左右され責任を押し付けあう日本社会(高城剛) |
![]() |
ソフトキーボード、ほんとうに「物理キーと同じ配列でいい」の?(西田宗千佳) |
![]() |
本来ハロウィーンが意味していた由来を考える(高城剛) |
![]() |
「日本の労働生産性がG7中で最下位」から日本の労働行政で起きる不思議なこと(やまもといちろう) |
![]() |
日本人に理想的な短期間ダイエット「七号食」(高城剛) |
![]() |
新しい健康食トレンド「レクチンフリー」を日本ならではの形で試みる(高城剛) |