はざまに立たされた存在として
人間というのは、文字通り様々の「間(あいだ、はざま)」に立たされた存在である。生と死の間、無と有の間、有限と無限の間、部分と全体の間、夢とウツツの間……。
こうした様々に対立する二極を打ち立てて、その間で葛藤しながらも、なんとかその対立を概念的に乗り越えていこうとする意志が、ギリシアにはじまる西洋学問を駆動してきた「積極」というものだったのではないかと思う。実際、ピタゴラスの時代からすでに意識されていた「離散と連続の葛藤」、「一と多の葛藤」、「有限と無限の葛藤」は、現代にまで脈々と受け継がれて、数学を駆動する大きな原動力になっている。
先日私は、京都大学での講演に向かう途中、奈良の聖林寺に立ち寄って、十一面観音像にはじめてお会いしてきた。いまでもあの日の光景は鮮明に覚えているが、一度観音様を見上げたきり、いつまでもその場に立ち続けていたいと思うほど、なんとも居心地のよい場所であった。観音様は女性的でありながら、男性的で、笑っているようでありながら、泣いているようでもあって、止まっているようでありながら、時折花瓶に挿した花が風に揺れるのが見えるようでもあった。
それは、私が数学という方法で向き合おうとしている問いに対する、まったく違った解法のように思えた。
その他の記事
|
レシート買い取りサービスONEと提携したDMMオートの思惑(本田雅一) |
|
「報道されない」開催国ブラジルの現在(宇都宮徹壱) |
|
ゲームにのめりこむ孫が心配です(家入一真) |
|
「シマウマ、捕獲後に死ぬ」のニュースの裏側(川端裕人) |
|
古都には似つかわしくない最先端の「現代日本語」講座(高城剛) |
|
AIの台頭とハリウッドの終焉(高城剛) |
|
「和歌」は神様のお告げだった〜おみくじを10倍楽しく引く方法(平野多恵) |
|
21世紀の黄金、コーヒー(高城剛) |
|
次の食文化を左右するであろうアニマルウェルフェアネスと環境意識(高城剛) |
|
オーバーツーリズムに疲弊する観光都市の行方(高城剛) |
|
参院選で与党過半数割れしたら下野を避けるため連立拡大するよという話(やまもといちろう) |
|
20代のうちは「借金してでも自分に先行投資する」ほうがいい?(家入一真) |
|
年末企画:2019年度の「私的なベストガジェット」(高城剛) |
|
今週の動画「切込入身」(甲野善紀) |
|
見捨てられる子供の安全(小寺信良) |











