【特別対談】根津孝太(znug design)×宇野常寛

「レゴとは、現実よりもリアルなブロックである」

エブリワン・イズ・スペシャルーーミニフィグになって生活すること

 

宇野 近年のレゴの「模型化」については語れたと思うんですけど、同じレゴの中でも、本来レゴがもっていた、たとえば「レゴ・シティ」シリーズが代表する箱庭遊び用のシリーズに僕らが抱いてしまうフェティッシュや親近感は、少し違う所にあるのかもしれないとも思うんですよ。

「シティ」シリーズの車や建物って、実際にはないものじゃないですか。

 

根津 僕がレゴシティに感じるのは、街としての美学ですね。あれってレゴルールで統一されているんですよ。

例えば僕は本業が車のデザイナーなので、ミニフィグに対しての正しい車のサイズについてよく考えるんです。そうすると、明らかに車が小さすぎるんですよ。車はだいたい4ポチ幅で、大きくても6ポチ幅。真ん中にひとりしか座れない。でもレゴの車は基本的に全てそうで、ちゃんと同じルールで作られているんです。

街が全てあるユニットから出来ていて、そこに入り込めるようになっている。だから見たときにも統一感があるし、自分がミニフィグになりきって、そこに住めそうだなって思える。

その究極が、あの映画ですよね。

 

 

▲根津さんオリジナルの、装甲消防車1号機。6ポチ幅。カタマリ感ある美しいフォルムと、後部の放水ユニット部分が素晴らしい。

 

 

▲同じく装甲消防車2号機。こちらは車体は4ポチ幅。パーツの選び方に1号機との統一感があり、チームで救助活動をするストーリーを感じさせる。二重になったキャノピーが独創的!

 

宇野 一時期までのレゴは、レゴシティが象徴するような、もうひとつの現実を作り込む方向に行っていた。でもある時期から、キャラクターものであるとか、半分スケールモデルのような、模型的なものが増えていった。こうした模型的なアプローチって本来、レゴ社の製品では補助的なもので、むしろビルダーの側の、二次創作的な文化だったわけじゃないですか。このふたつの路線の違いについて考えてみたいんですよね。

たとえば、先日公開された「レゴ・ムービー」は明らかに近年の模型化に対するアンチテーゼとしてつくられている。……

 

……ここから先はメールマガジン「ほぼ日刊惑星開発委員会」でお楽しみください!

 

※この記事は、メールマガジン「ほぼ日刊惑星開発委員会 2014.6.11 vol.090
【特別対談】根津孝太(znug design)×宇野常寛「レゴとは、現実よりもリアルなブロックである」の冒頭部分です。全文を読みたくなった方は、メールマガジン「ほぼ日刊惑星開発委員会」をご購読ください!

 

メールマガジン「ほぼ日刊惑星開発委員会」とは?

34評論家の宇野常寛が主宰する、批評誌〈PLANETS〉のメールマガジンです。 2014年2月より、平日毎日配信開始! いま宇野常寛が一番気になっている人へのインタビュー、イベントレポート、ディスクレビューから書評まで、幅広いジャンルの記事をほぼ日刊でお届けします。

【 料金(税込) 】 864円 / 月
【 発行周期 】 ほぼ毎日(夜間飛行では月に1度、オリジナル動画を配信いたします)

詳細・ご購読はこちらから!
http://yakan-hiko.com/hobowaku.html

1 2 3

その他の記事

人生の分水嶺は「瞬間」に宿る(名越康文)
それ「悲報」でもなんでもないから――化粧品はお肌に浸透しません!(若林理砂)
「わからない」という断念から新しい生き方を生み出していく(甲野善紀)
オーバーツーリズムでニセコ化する草津(高城剛)
南国滞在を引き延ばすもっともらしい言い訳(高城剛)
画一化するネットの世界に「ズレ」を生み出すということ(西田宗千佳)
「電気グルーヴ配信停止」に見るデジタル配信と消費者保護(西田宗千佳)
古市憲寿さんの「牛丼福祉論」は意外に深いテーマではないか(やまもといちろう)
「高倉健の死」で日本が失ったもの(平川克美×小田嶋隆)
レストランからバルへ、大きくかわりつつある美食世界一の街(高城剛)
温泉巡りで気付いた看板ひとつから想像できる十年後の街並み(高城剛)
“美しい”は強い――本当に上達したい人のための卓球理論(上)(山中教子)
テレビのCASがまたおかしな事に。これで消費者の理解は得られるか?(小寺信良)
タレント候補が減った理由–戦い(の見物)を終えて(やまもといちろう)
「リバーブ」という沼とブラックフライデー(高城剛)

ページのトップへ