若林理砂
@asilliza

メルマガ『鍼灸師が教える一人でできる養生法』より

「苦しまずに死にたい」あなたが知っておくべき3つのこと

その3 「魔法の杖」はないことを理解する

わたしも、死ぬのは怖いです。わたしの母は38歳で突然亡くなりました。あの出来事がおそらくわたしを鍼灸師の道へ進ませたに違いないのですが、わたし自身は、西洋医学を用いることでラクに亡くなるところまで行けると思っています。

そのためには、勉強と覚悟が必要なんです。この線よりは先の医療は要らない、家族とも死についてしっかり話しておくこと。医療介入をしないことは、魔法の杖じゃないです。死ぬのも生きるのも結構大変です。たぶん、どんな風にしても、 死ぬときちょっとは痛いと思うの(笑)。

祖父は肺癌が末期で見つかり、痛み止めだけ少量服用して亡くなる1日前に入院し、臨終を迎えました。入院直後に「痛くない? 痛み止めもらえるよ?」と聞 くと、「痛かねぇんだ、たーだ辛れぇんだ」となんとか話してくれました。

そういう「辛れぇんだ」という、身の置き所がない感じは、医療介入無しじゃ取り除けないんです。これを取り除くとなると、モルヒネを使って意識レベルを下げ、そのまま臨終へ向かわせるしかないのです。この方法を自分で選択する患者さんも居ます。ご家族としっかりお別れをして、「じゃあねえ」とモルヒネ投与を受けて眠る。これだって、大往生じゃないかなあ……。

勉強しないと、いざという時になかなか選択が出来ません。毛嫌いせず、西洋医学の身体の観かたも学んでくださいね。……あれ、また西洋医学も大事よって話になってるねえ(笑)。

 

※この記事は夜間飛行メルマガ「若林理砂 鍼灸師が教える一人でできる養生法」2012年6月11日 Vol.027に掲載された記事を編集・再録したものです。

 

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若林理砂
1976年生まれ。鍼灸師・アシル治療室院長。高校卒業後に、鍼灸免許を取得し、エステサロンの併設鍼灸院で、技術を磨く。早稲田大学第二文学部卒。2004年、アシル治療室開院。現在3ヵ月先まで予約が埋まるほどの人気を集めている。

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