川端裕人メルマガ・秘密基地からハッシン!「どうすいはく」より

オランウータンの森を訪ねて~ボルネオ島ダナムバレイ(1)

川端裕人メールマガジン「秘密基地からハッシン!」Vol.030より

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<筆者撮影>

 

※本記事は「秘密基地からハッシン!」Vol.030の不定期連載「どうすいはく」コーナーの「オランウータンの森を訪ねて~ボルネオ島ダナムバレイ(1)」記事冒頭を、一部編集してお届けしています。

 
 

どうすいはくは、動物園・水族館・博物館の略。いや、動物・水族・博物の略。

つまり、なんでもあり!なかんじの「箱」です。

今回は、ナショジオWebの「研究室に行ってみた」との勝手に連動企画。

オランウータン研究者久世濃子さんのインタビューを12月5日から6平日連続で公開しました。

実は2010年に久世さんのフィールドであるダナムバレイ(ボルネオ島・サバ州)を訪ねてから6年越しのインタビュー企画実現ですね。写真もふくめて、まったくアウトプットする機会がなかったので。

とはいえ、今回は2016年時点での久世さんの話なので、2010年のフィールド体験については、あまり書き込むことができませんでした。

そこで! その時、現場で書いていた備忘と写真をもとに、フィールドの様子を再現してみましょう。

写真いっぱいでいきますよ。enjoy!

(なお、久世さんたちの研究チームは、本稿の中の体験がきっかけになったともいえる、「オランウータンの夜間観察」をめざしてクラウドファンディングの開催中です。http://japangiving.jp/p/5095 よろしかったらこちらものぞいてみてくださいね)

 
 

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2010年11月4日(木)
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シンガポール航空。深夜便。機内。

アルフレッド・ウォレスの「マレー諸島」のボルネオの章を読む。
http://amzn.to/2gnTzTx

ウォレスは、オランウータンをミアスと呼ぶ。ボルネオのダヤク族がそう呼んでいたと。

そして撃ちまくる。標本を確保するのが最大の目的だった時代。

母親を撃ち殺して取り残された赤ん坊を3ヵ月飼育した記録。

犬猫のように愛着は湧いたようだけれど……。
 
 

サバ州の州都コタキナバル行きの便は30分ほど遅れる。ソーセージのランチが出て、一応食べた。

まだ眠たくて、半分くらい深く眠った。

コタからラハダツへ。ローカル便。

ボルネオ・レインフォレスト・ロッジの人が、迎えに来てくれている。

そこから2時間半のドライブ。

遠い! 途中、ボルネオゾウ! が道路を渡るのを見た。お尻だけだけど。

豪華すぎるロッジだ。ぼくにはオーバースペック。
 
 
濃子さん、ひさしぶりなり。すっかりお母さんの顔になってる。(注・当時なぜそう感じたか、よくわからない。具体的には、メモには書かれていない)。

もうお子さんは1歳と4ヵ月にならんとしているとか。

今回断乳してきたという。
 
 
夜のドライブでは、シベットが見えただけだった。

あとモモンガというか、「グライディングリス」も。

結局眠ったのは12時。

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〈移動中に会ったボルネオゾウ。すぐに森に消えた〉

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〈ダナムバレイの森〉

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〈シベットが通り過ぎた〉

 
 
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2010年11月5日(金)
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朝5時半に起床。

急いで朝食を食べて6時に出発。

濃子さんと助手のピオが一緒。ぼく個人につくガイドのイズマエルは午後から合流ということになる。

とりあえず、昨日見つかったという、妊娠中の若いメスを追いかけることになる。

名前は、シーナでわりと研究者慣れしているとのこと。

はじめての追跡を体験する。
 
 
林床は、フタバガキの実生で敷き詰められている。数ヶ月前にフルーツが大爆発、つまり、一斉結実があったので、落ちた実から大量に苗木が育っている。ふだん林床はただ落ち葉が積もっているだけだそうなのでかなりの変化。

ちなみにこの地域には、キングコブラがいる。4メートルのやつが最近ダナムバレイでみつかったそうだ。

歩き始めると、結構、大変。

普通のところでも滑るし、沢は渡るし、道を踏み外して、山刀でどんどん切り開いて進むし。

シーナが食べていたものは、ちいさなイチジク(その場で同定するのは難しい)やマメ科植物などで、わりと森に食べ物がない時期なのだと。
 
 
さっそくわかったのは、移動の方法。

両腕だけを使う腕渡り、ブラキエーションはほとんどない。たまにそういうタイミングがあったときのみ。

通常は四肢を全部つかって、可能な支点をすべて確保しつつ進むというか。

木を揺らし、隣の木に近づいた時にひょいと乗り移るのは(隣の木の枝や蔓を掴む)のは常套手段。

木がしっかりしていてあまりうまく揺れないとき、折った枝を使って隣の木の枝を引き寄せもう片方の手で掴むことも。

とにかく利用できるものを極力利用して、最大限安全を確保ってかんじ。慎重オランウータンだ。

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〈川を渡って森の中へ〉

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〈標準的な(?)森の中の様子〉

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〈3ヵ月前の一斉結実のため、林床にはフタバガキの実生が。翌年にはすっかり消えてしまったそう〉

この後、いよいよオランウータンとの邂逅が…!

 
(続きは川端裕人メールマガジン「秘密基地からハッシン!」Vol.030にてお読みください。初月無料です!)

【以下、記事中写真の一部をご紹介します】

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〈ハンモックビュー(ほとんど真上)〉

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〈見えた! ネストの中!〉

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〈イチジク的ななにかを食べている〉

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〈食べていたもののひとつ〉

 
 
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川端裕人メールマガジン『秘密基地からハッシン!

2016年12月17日Vol.030
<オランウータンの森を訪ねて~ボルネオ島ダナムバレイ(1)/「ロケット小説」を書いたら、宇宙に手が届きそうになった/バンクーバーの鯨類飼育/改めて「かけ算問題」/ドードー連載/再読企画>ほか

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目次

01:アマゾンマナティを追いかけて(9)チノの村
02:keep me posted~ニュースの時間/次の取材はこれだ!(未定)
03:オランウータンの森を訪ねて~ボルネオ島ダナムバレイ(1)
04:宇宙通信: 「ロケット小説」を書いたら、宇宙に手が届きそうになった
05:秘密基地で考えるその1:バンクーバーの鯨類飼育、その後
06:秘密基地で考えるその2:改めて「かけ算問題」について考えた
07:連載・ドードーをめぐる堂々めぐり(30)ドードーを追ってプラハ国立博物館へ
08:著書のご案内・イベント告知など
09:特別付録「動物園にできること」を再読する(16)第五章「幸せなクマさんを
さがして」コメント編後半

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川端裕人
1964年、兵庫県明石市生まれ。千葉県千葉市育ち。普段は小説書き。生き物好きで、宇宙好きで、サイエンス好き。東京大学・教養学科卒業後、日本テレビに勤務して8年で退社。コロンビア大学ジャーナリズムスクールに籍を置いたりしつつ、文筆活動を本格化する。デビュー小説『夏のロケット』(文春文庫)は元祖民間ロケット開発物語として、ノンフィクション『動物園にできること』(文春文庫)は動物園入門書として、今も読まれている。目下、1年の3分の1は、旅の空。主な作品に、少年たちの川をめぐる物語『川の名前』(ハヤカワ文庫JA)、アニメ化された『銀河のワールドカップ』(集英社文庫)、動物小説集『星と半月の海』(講談社)など。最新刊は、天気を先行きを見る"空の一族"を描いた伝奇的科学ファンタジー『雲の王』(集英社文庫)『天空の約束』(集英社)のシリーズ。

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