いかがでしょう?
マリラに「本当の名前は何なの?」と問い詰められたアンは、仕方がなく、「アン」(Anne)という自分の名前を言います。そして、「もし、私をアンと呼ぶのならば、スペルにEがついたアンと呼んでください」と頼む。ここに、アンのこだわりが見えます。
英語のアンの表記には、「Anne」と「Ann」の二つがあることを背景にした会話ですが、『赤毛のアン』の中でも最も有名な場面の一つで、演劇やミュージカル、映画になるときには必ず引用される部分です。
ここに出ている単語には、それほど難しいものはありません。中学生でも、理解できるでしょう。ところが、このやりとりは、間違いなく英語のものになっている。リズム、テンポ、その背景にあるマインドセットが、英語固有のものです。
英語を学ぶとは、必ずしも難しい単語や表現を必要とすることではありません。むしろ、それは一つの感覚であり、さらに言うならば一つの態度(attitude)なのです。こんなにシンプルな表現でも、英語の神髄に触れられることは、知っておくべきかもしれません。
マリラの表現の中で、「fiddlesticks!」というのが面白いですね。これは、とるに足らないもの(any meaningless or inconsequential thing; trifle)を表す口語表現。もちろん、fiddlestickはもともとバイオリンの「弓」のことですが、このような表現にも使われます。
この名文!
But if you call me Anne please call me Anne spelled with an E."
でも、もしアンと呼ぶのなら、「E」のついているほうのアンと呼んでください。
その他の記事
生き残るための選択肢を増やそう(後編)(家入一真) | |
「スマートニュース」リストラ報道と報道記者喰えないよ問題(やまもといちろう) | |
東大卒のポーカープロに聞く「場を支配する力」(家入一真) | |
現代日本の結婚観と現実の夫婦の姿(やまもといちろう) | |
コロナ後で勝ち負け鮮明になる不動産市況(やまもといちろう) | |
2023年は「人工知能」と「公正取引」の年に(やまもといちろう) | |
あまり語られることのないエストニアが電子政府に向かわざるをえない本当の理由(高城剛) | |
教養の価値ーー自分と世の中を「素直に見つめる」ということ(岩崎夏海) | |
高2だった僕はその文章に感情を強く揺さぶられた〜石牟礼道子さんの「ゆき女聞き書き」(川端裕人) | |
円で請求される燃油サーチャージに隠されたおかしな仕組み(高城剛) | |
ネットも電気もない東アフリカのマダガスカルで享受する「圏外力」の楽しみ(高城剛) | |
川端裕人×オランウータン研究者久世濃子さん<ヒトに近くて遠い生き物、「オランウータン」を追いかけて>第2回(川端裕人) | |
注目される医療サイケデリックの波(高城剛) | |
「学びとコンピュータ」問題の根本はなにか(西田宗千佳) | |
『最悪の結果』を前提に、物事を組み立てるべき解散総選挙終盤戦(やまもといちろう) |