津田大介
@tsuda

津田大介の『メディアの現場』vol37より

中部横断自動車道をめぐる国交省の不可解な動き

市民型の政策決定を実現させたい

津田:米田さんが代表を務めている「中部横断自動車道八ヶ岳南麓の会」では今後、具体的にどのような活動をしていく予定ですか?

米田:私たちは、とにかくオープンな情報交換ができる場をネットで作っていきたいと思っています。ホームページがすでにあるので、今回の問題に関する知見を複数人で読みやすく編集して上げていき、Facebookのようなソーシャルメディアをからめていきたいんです。私の根底には「多くの人が参加して、オープンに議論して、そこから出てくる意見は正しい」という考え方があります。だから、より多くの人を巻き込んでいきたいんですよね。そして、私たちの活動がきっかけになって、「最近、日本の政策決定の仕方がまともになったよね」とみんなが感じるようになるといい。そういう方向に活動を進めていきたいんです。

津田:おっと、「動員の革命」みたいな話になってきましたね……!

米田:実はそのとおりで、山梨県北杜市でデモをやろうと思っています。私の家の近くに、八ヶ岳高原大橋という橋があるんです。富士山も八ヶ岳も南アルプスもバーンと見えるすばらしい橋です。まさにこの橋が、この高速道路建設の象徴的な場所なんですが、ここを往復する楽しいデモをやりたいんですよね。「こんなすばらしいところで、こんなすてきなデモはない」というのをやって、ステッカーを参加者にいくらかで買ってもらう。それを活動資金に、毎年、毎年だんだん人数を増やして、大きな流れにしていく……。まだ僕のアイデア段階なんですけどね。

津田:お話を伺っていると、今回の委員会は、まさに日本の政策決定の縮図ですよね。日本の委員会や審議会はシステムとして硬直しています。でも、ウェブでオープンにされているデータをみんなで検証し、「これはおかしいだろう」という声を上げていけば、政策決定のプロセスにも、きちんと民意が反映されるようになるかもしれない。この問題を通じて、日本を改革していくきっかけが、本当に作れるかもしれません。

米田:私たちもそれを現実にするために、力を注いでいきます。

津田:この動きを盛り上げて、市民型の政策決定を実現していきたいですね。本日はどうもありがとうございました。

 

《この記事は「津田大介の『メディアの現場』からの抜粋です。ご興味を持たれた方は、ぜひご購読をお願いします。》

 

▼米田佳孝(よねだ・よしたか)

「中部横断自動車道八ヶ岳南麓の会」代表。株式会社YONEDAオフィス代表、株式会社insprout取締役。慶応義塾大学経済学部卒業、慶応ビジネススクール修了。日本IBMおよび米国IBM勤務後、ベンチャー企業や大手企業での新規事業の立ち上げを実践。その後自身で創業し、20年以上にわたり、ブランド・ビジネスを中軸においた企業経営を実践。これまでの設立企業数は世界6か国で10社超。現在は環境テクノロジー分野のベンチャー企業の立ち上げに奮闘のかたわら、グロービス経営大学院でベンチャー経営戦略の講座を担当。

 

[*1] http://cyubu-odando.nanroku.net/

[*2] http://www.kokudokeikaku.go.jp/document_archives/ayumi/25.pdf

[*3] 以下の資料の84ページ(PDFのページ番号では94ページ)に該当する記述がある。

http://www.kokudokeikaku.go.jp/document_archives/ayumi/25.pdf#page=94

[*4] http://www.ktr.mlit.go.jp/nagano/reconst/koukikaku/pdf/process.pdf

[*5] http://www.city.saku.nagano.jp/cms/html/entry/4530/229.html

[*6] アンケートの内容はWebサイトに残っている。

http://www.chubuoudan.com/result/index.html

[*7] http://www.mlit.go.jp/report/interview/mabutihukudaijin100405-1.html

[*8] http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-jigyohyoka/ir-jigyohyoka.pdf

[*9] http://www.ktr.mlit.go.jp/road/shihon/index00000014.html

[*10] http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000043722.pdf

[*11] 以下の資料の32ページ(PDFのページ番号では33ページ)に該当する記述がある。

http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000043722.pdf#page=33

[*12] 以下の資料の30ページ(PDFのページ番号では31ページ)に該当する記述がある。

http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000043722.pdf#page=31

[*13] 国道141号線の改良案については、2011年(平成23年)10月5日に開かれた同委員会で検討されている。

配布資料:http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000045391.pdf

議事録:http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000050539.pdf

[*14] 第2回目アンケートの内容はWebサイトに残っている。

http://www.chubuoudan.com/pdf/second_summary.pdf

[*15] 以下の資料の3ページ(PDFのページ番号では4ページ)に該当する記述がある。

http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000060447.pdf#page=4

[*16] 以下の資料の4〜7ページ(PDFのページ番号では5〜8ページ)に該当する記述がある。

http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000060447.pdf#page=5

[*17] アンケートの8〜9ページ(PDFのページ番号では5ページ)、「概ねの費用」を参照のこと。

http://www.chubuoudan.com/pdf/second_summary.pdf#page=5

[*18] 第2回目アンケートの最終ページに設問がある。

http://www.chubuoudan.com/pdf/second_summary.pdf

[*19] 以下の資料の38ページ(PDFのページ番号では39ページ)に結果がまとまっている。

http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000060447.pdf#page=39

[*20] 以下の資料の16〜37ページ(PDFのページ番号では17〜38ページ)にかけて掲載されている。

http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000060447.pdf#page=17

[*21] http://www.ktr.mlit.go.jp/road/shihon/index00000014.html

[*22] 以下のページに「○アンケート(ハガキ)」として、通し番号付きでアンケートはがきがアップされている。

http://www.ktr.mlit.go.jp/road/shihon/road_shihon00000078.html

[*23] http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000061309.pdf

[*24] 以下の議事録の26ページに該当する記述がある。

http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000061309.pdf#page=26

[*25] 以下の議事録の27ページに該当する記述がある。

http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000061309.pdf#page=27

[*26] http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000060450.pdf

[*27] この「中間とりまとめ(案)」はその後、正式な「中間とりまとめ」となった。

http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000062996.pdf

[*28] http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000060451.pdf

[*29] http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/koufu_00000109.html

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津田大介
ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。1973年生まれ。東京都出身。早稲田大学社会科学部卒。早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズムコース非常勤講師。一般社団法人インターネットユーザー協会代表理事。J-WAVE『JAM THE WORLD』火曜日ナビゲーター。IT・ネットサービスやネットカルチャー、ネットジャーナリズム、著作権問題、コンテンツビジネス論などを専門分野に執筆活動を行う。ネットニュースメディア「ナタリー」の設立・運営にも携わる。主な著書に『Twitter社会論』(洋泉社)、『未来型サバイバル音楽論』(中央公論新社)など。

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