津田大介
@tsuda

『メディアの現場』特別号外より

「政治メディア」はコンテンツかプラットフォームか

「色」は付けます

井之上:なるほど。その「場」の機能を持たせるにあたってむずかしいのは、どこまで「色」を付けるかだと思うんです。例えば、東浩紀さんも指摘していましたが、「はてな」はマス化するために色を消そうとしました。実際、Facebookを見ても、Googleを見ても、徹底的に「色」がない。けれどもそうすると、コアなファンが付きにくくなってサービスとしては足腰が弱くなる。まあ、Appleは「色」がありながらにして、世界的な規模のサービスを提供していますが、はたしてジョブズ亡き後、ファンを惹きつけ続けることができるのかはわからない。

実際問題としては、「ちょうど良い程度に色付けをする」ということだと思いますが、津田さんの作られている政治メディアは、どのくらいの「色」を付けるのか、どのような「色」を付けるのか、構想はありますか。

津田:それは答えが出ています。唯一、色をつけるとするならば、「インターネットで社会を変える!」「インターネットで政治を良くする!」という立場に立つということです。結局、僕の作りたいメディアは、そこを突き進めていくためのメディアですので。だからインターネットに対して肯定的な政治家に関しては評価も上がるでしょうし、「ネットなんて必要ない」という政治家には、「化石のような政治家には早く退場してほしい」くらいのことは表明することになるでしょう。「右」とか「左」とかはどうでもいい。ただ「新しい市民社会はインターネットでつくるんだ」という背骨の部分だけは、はっきりと意見を表明していきたいと考えています。

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津田大介
ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。1973年生まれ。東京都出身。早稲田大学社会科学部卒。早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズムコース非常勤講師。一般社団法人インターネットユーザー協会代表理事。J-WAVE『JAM THE WORLD』火曜日ナビゲーター。IT・ネットサービスやネットカルチャー、ネットジャーナリズム、著作権問題、コンテンツビジネス論などを専門分野に執筆活動を行う。ネットニュースメディア「ナタリー」の設立・運営にも携わる。主な著書に『Twitter社会論』(洋泉社)、『未来型サバイバル音楽論』(中央公論新社)など。

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