心は刺激依存症
なぜ心は刺激を求めるのか。それはおそらく、刺激のまったくない状態が、心に「死」を連想させるからではないかと思います。
僕はいろんなところで瞑想をお勧めしています。それを聞いて「ちょっとやってみようかな」と思って取り組んでみる人はけっこういますが、ほとんどの人が必ずといっていいほど続かない。そこで「なぜ止めてしまったのか」と聞いてみると、瞑想がまったくうまくいかないから止めたというよりも、むしろ瞑想が少し上手にできだしてから、止めてしまっている人が多いんです。
不思議ですよね。
でも、これは「心が刺激を求める」という仮説に立つと、説明できるんです。瞑想がうまくいくと、心から刺激が減ります。そうすると心は「これはまずい」と大慌てで瞑想をやめさせようと、あの手この手で邪魔をしてくる。だいたい、こういうパターンで、瞑想を止めてしまうんだと思うんです。
それくらい、僕らの心は、刺激を渇望している。刺激がなくなることに対する恐怖心は、かなり本能的なもので、とても強い。だからこそ僕らは、無感覚の恐怖よりは悪い刺激で苦しむことを選ぶのではないか。
卑近な例でいえば、ネットの書き込みで悪口を書かれているのを1回見ると、もっと見たくなるということもありますね(笑)。これ、完全に「悪い刺激」ってわかりきってるじゃないですか。それでもなお、僕らは刺激を求める。もっと見たくなる。見て傷つく。
つまり僕らの心は「もっと怒りたい」「もっと傷つきたい」と思っている。一言で言えば「刺激依存症」なんですね。
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