社会のシステム化が「うつ」を呼ぶ
共感ですらシステム化されていく社会の中で、「驚く力」は、本当の意味での「共感」を呼び覚ますスイッチになりうると僕は考えています。
そこに取り組まない限り、僕らの社会全体を取り巻くある種の「うつ」状態から抜け出すことは難しいと僕は思う。というのも、「うつ」の根底には、自分の人生が「システム」に支配されているという思い込みがあるからです。
システムは、あらゆることは予測可能であり、予定調和であることを求めます。それは確かに安全・安心な世界かもしれませんが、社会がそちらに向かえば向かうほど、僕らは抑うつ状態から抜け出しにくくなっていきます。
システムがよくできていればできているほど、うつは強くなる。そういう意味では、3.11のような天災によってシステムが一時的に崩壊したときは、僕らが驚く力を取り戻し、うつ状態から抜け出すという点では「チャンス」でした。
しかし実際には、少なくとも社会全体としては、より強固なシステム、より間違いない予定調和を求める方向に進み、さらに社会の抑うつの度合いは増しているように思います。
おそらく、東北で実際に被災した方々の中には、そういう「システムをより強化する方向性」に疑問を抱き、違う方向に舵を切ろうとした人も少なからずいたはずです。しかし、多くの日本人は、結果的にはシステムを強化する方向を選んだ。
それくらい僕たちは、システム化されることを、自ら望んでしまう傾向を持っている。その一方で、世界を完全にシステム化することは不可能であることもまた、どこかで気づいてもいる。
その他の記事
|
G20直前で思うこと(やまもといちろう) |
|
日本が抱える現在の問題の鍵はネアンデルタール人の遺伝子にある?(高城剛) |
|
国内IMAX上映に隠された映画会社や配給会社の不都合な真実(高城剛) |
|
竹富島で考える沖縄の内と外(高城剛) |
|
「50GBプラン」にして、5G時代のことを考えてみた(西田宗千佳) |
|
知的好奇心の受け皿としての「私塾」の可能性(名越康文) |
|
れいわ新選組大石あきこさんの懲罰動議とポピュリズム(やまもといちろう) |
|
「投資」や「保険」としての移住(高城剛) |
|
「10年の出会い、積み重ねの先」〜日本唯一のホースクリニシャン宮田朋典氏による特別寄稿(甲野善紀) |
|
フジテレビ系『新報道2001』での微妙報道など(やまもといちろう) |
|
国民民主党「部分連合」で迎える石破茂政権で思い切れなかったところ(やまもといちろう) |
|
超人を目指す修行の日々(高城剛) |
|
『スターウォーズ』は映画として不完全だからこそ成功した(岩崎夏海) |
|
【疲弊】2021年衆議院選挙の総括【疲弊】(やまもといちろう) |
|
あたらしいライフスタイルのひとつとして急浮上する「スロマド」(高城剛) |












