「好き嫌いがわからない」のはアイデンティティ障害の兆候
自分のやりたいこと、あるいはやりたくないことがわからない、というのは端的に言えば「好き嫌い」がわからない、ということです。そして「好き嫌い」がわからなくなるということに、僕は「アイデンティティ障害の兆候」を感じます。
コウモリが明るい場所を嫌い、暗い場所へと逃げ込むように、あらゆる生命は、「好き嫌い」を軸に行動し、その命をつないでいます。つまり、「好き嫌いがわからなくなる」というのは、生命としてのアイデンティティが壊れつつあるといってもいいぐらい、危機的な兆候だということです。
アイデンティティ障害に陥っている人間は「やってもいいこと」だけをやり、「やらなくてもいいこと」や「推奨されないこと」には手を出しません。社会もひとつの「生命」です。もし、社会そのものがある種のアイデンティティ障害に陥っているとすれば、その結果として、個々の組織や人々からも創造性が失われることになります。
「言われたことはやるけれど、自分から新しいことに取り組むことを嫌う」新入社員が毎年のように現れるのは、社会全体がアイデンティティ障害に陥っていることの「結果」に過ぎないのかもしれません。
子育てや教育はもちろんのこと、それこそ社会人となった後の新入社員教育の場面においてすら、僕らは「言われたことを素直にやる」ということを手放しに評価しがちです。でも、「これをやりなさい」と言われたことをそのまま素直にやる、ということは「病み」の兆候といっても過言ではないと僕は捉えています。
なぜなら、「言われたことを素直にやる」というのは、別にそれを「やりたい」からではないからです。他人から言われた事を素直にやるのは、「やりたくないこと」が明確でないことの結果に過ぎません。人間というのは、元気であればあるほど人から言われたことに反発するし、病気になって元気をなくすと、人から言われたことに素直に従う。そういう生き物です。
その他の記事
|
幻の絶滅鳥類ドードーが「17世紀の日本に来ていた」という説は本当なのか(川端裕人) |
|
「なぜ本を読まなければいけないのか」と思ったときに読む話(名越康文) |
|
縮む地方と「奴隷労働」の実態(やまもといちろう) |
|
Geminiを使い倒した2週間(小寺信良) |
|
仮想通貨はトーチライトか?(やまもといちろう) |
|
カビ毒(マイコトキシン)についての話(高城剛) |
|
「データサイエンスと個人情報」の危ない関係(やまもといちろう) |
|
LINE傍受疑惑、韓国「国家情報院」の素顔(スプラウト) |
|
気候変動にまつわる不都合な真実(高城剛) |
|
「わからない」という断念から新しい生き方を生み出していく(甲野善紀) |
|
「外組」と「内組」に二極化する時代(高城剛) |
|
アマチュア宇宙ロケット開発レポートin コペンハーゲン<後編>(川端裕人) |
|
女子高生に改正児童ポルノ法の話をした理由(小寺信良) |
|
「節分」と「立春」(高城剛) |
|
4K本放送はCMスキップ、録画禁止に?(小寺信良) |











