岩崎夏海
@huckleberry2008

岩崎夏海のメールマガジン「ハックルベリーに会いに行く」より

YouTubeを始めて分かったチャンネル運営の5つのポイント

その3「音楽が強い」

YouTubeにおいて最も強い動画――それは音楽である。なぜか? それは、YouTubeのビジネススキームと深い関係がある。

YouTubeというのは、動画の前後や合間に流れる広告を見てもらうことでビジネスが成立している。だから、重要なのは再生回数だ。再生回数が多ければ多いほど、広告を見てもらう回数も増えるからだ。

ところで、普通の動画というのは、一度見たら二度と見ることはない。どんなに面白い映画でも、くり返し見る人というのはあまりいないだろう。ところが、音楽動画はそうではない。一度見たら終わりではなく、気に入ったらほとんどの人がくり返し見る。そのため、音楽動画は再生回数が伸びやすいのだ。今、再生回数が多い動画のほとんどが音楽動画だ。例えば「Let it go」などは、この一本だけで実に3億2千万もの再生回数を数えた。

Disney's Frozen "Let It Go" Sequence Performed by Idina Menzel

おかげで、多くのYouTuberが音楽動画に力を入れている。ぼくも近々、本格的に音楽動画を作っていきたいと考えている。

 

その4「子供向けが強い」

YouTubeは、子供向けの動画が強い。その理由の分析をある人から聞いて、なるほどと思った。子供というのは、騒いだり暴れたりして、親としては鬱陶しいときがある。そういうとき、タブレットをポンと渡せば、静かに動画を見てくれるので、ゆっくりできるのだ。

子供は、動画が本当に好きだ。しかも、大人と違ってくり返し見る傾向がある。そのためYouTubeでは、子供が喜ぶ動画が人気になることが多い。「子供が喜ぶ動画」とは、例えば大人が不謹慎なことをするものだ。食べ物を粗末にするような動画などは、子供たちの大好物なのである。

これはアメリカの動画だが、ものすごく再生回数が伸びている。

"NeverWet" Our Pants

もし不謹慎なことが得意という人がいたら、YouTubeは大きなチャンスの場となるだろう。

1 2 3
岩崎夏海
1968年生。東京都日野市出身。 東京芸術大学建築科卒業後、作詞家の秋元康氏に師事。放送作家として『とんねるずのみなさんのおかげです』『ダウンタウンのごっつええ感じ』など、主にバラエティ番組の制作に参加。その後AKB48のプロデュースなどにも携わる。 2009年12月、初めての出版作品となる『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(累計273万部)を著す。近著に自身が代表を務める「部屋を考える会」著「部屋を活かせば人生が変わる」(累計3万部)などがある。

その他の記事

メガブランドの盛衰からトレンドの流れを考える(高城剛)
交通指揮者という視点(小寺信良)
「芸能人になる」ということ–千秋の場合(天野ひろゆき)
ブラック企業と奴隷根性(岩崎夏海)
大揉め都議選と「腐れ」小池百合子の明るい未来(やまもといちろう)
物流にロボットアームを持ち込む不可解、オーバーテクノロジーへの警鐘(やまもといちろう)
「iPad Proの存在価値」はPCから測れるのか(西田宗千佳)
宗教や民主主義などのあらゆるイデオロギーを超えて消費主義が蔓延する時代(高城剛)
人事制度で解く「明智光秀謀反の謎」(城繁幸)
22年出生数減少の「ですよねー」感と政策の手詰まり感のシンフォニーについて(やまもといちろう)
【号外】「漫画村」ブロッキング問題、どこからも被害届が出ておらず捜査着手されていなかった可能性(やまもといちろう)
そもそも国にGAFAなどプラットフォーム事業者を規制できるのか?(やまもといちろう)
世界遺産登録を望まない、現代の隠れキリシタンたち(高城剛)
政争と政局と政治(やまもといちろう)
DLNAは「なくなるがなくならない」(西田宗千佳)
岩崎夏海のメールマガジン
「ハックルベリーに会いに行く」

[料金(税込)] 880円(税込)/ 月
[発行周期] 基本的に平日毎日

ページのトップへ