【対談】山本一郎×辻元清美

辻元清美女史とリベラルの復権その他で対談をしたんですが、話が噛み合いませんでした

B04A2834sm山本:国土交通省の副大臣をされているとき、海上保安庁の警備能力増強を訴えて、大型巡視艇の「あきつしま」の建造を進められましたよね。

辻元:必要でしたから。

山本:それが意外でね。

辻元:そうですか(笑)? 安全保障委員会では長いこと日本の防衛政策を見る機会があって、海保は日本の平和維持にとって大きな役割を果たしていると考えてました。

山本:ほう。

辻元:だって、考えてみてください。北朝鮮はいる、中国はせり出してくる、海の安全を守るために一番最前線に立っていたのは海保です。もしも不測の事態があったときに、海上自衛隊がいきなり出て行ってしまったら、それは相手国にとっても引っ込みがつかなくなってしまいます。

山本:確かに警察力の範囲内で処理できるのが最善ですね。

辻元:いきなり完璧な対応はできなくても、海保の設備を充実させればいろんな対処の方法は考えられるようになる。海保のメンバーは士気はとても高い。信頼できる人たちが揃っているのが誇りです。でも、船が足りなかったらそれで終わりです。

山本:ちょっと前には赤珊瑚を漁る中国船が問題になっていましたしね。

辻元:そう。中国人だろうとどこの国民だろうと、違法なものは違法としてちゃんと摘発する必要があって、そのための設備を整備することは大事だと思ってます。

山本:今頃、大型巡視艇の「あきつしま」なかったら大変でしたよ。

辻元:そう。あの頃は財務省とか反対だったんですけどね。かなり押しました。(笑)

山本:それから、国交副大臣のとき辻元さんは、中国人個人観光客のビザ要件緩和して、これもずいぶんと「売国奴」批判をされましたよね(笑)。

辻元:そうですね(苦笑)。でも、日本がこれから観光産業をどんどん発展させていこうというときに、隣の国が豊かになった、その旅行者を受け入れられないというのはもったいないと思ったんです。日本に来て、いいところを見て、お金をたくさん落としていってもらいたい。

山本:この政策は経済効果は非常にありますよね。特に地方は。

辻元:はい。例で言えば、北海道の観光を考えるとき、地元経済界からも「緩和してほしい」と言われていました。実現したあとは随分感謝をされました。

山本:新千歳空港は航空自衛隊の千歳基地に隣接していて、中国機の着陸は時間で制限をされてましたもんね。

辻元:難しかったですけどね。地方の経済の立て直しは大事ですから。

山本:で、空前の北海道旅行ブームが(笑)。

辻元:はい。中国で「狙った恋の落とし方」っていう大ヒットした映画の舞台が北海道で、これが呼び水になってアジアからの観光客が過去最高の640万人になりました。中国との関係は緊張することも多いですけど、中国に対してダメなものはダメ、でも手を取り合えるところはちゃんと握るというのが大事だと思うんです。観光も貿易も。

山本:しかし、辻元さんなりにお考えになって、日本にとっていいことをやろうと頑張って実現しても、これだけ、ガセネタ含みの批判が大量に出るのは悔しいでしょう。

辻元:そりゃ悔しいですよ。

山本:辻元さんがアレコレ書かれはじめたのは90年代半ばぐらいからだと思いますが、2000年ごろから政府関係者からも「(辻元さんについて)ネットでこういう話があるんだけど、本当なのか」と聞かれたことが何度かありました。当時、辻元さんが公安から警戒の目線を向けられていたのは事実です。それで、彼らが疑うきっかけになったのはピースボートの活動なんですね。なんか若い人乗せて北朝鮮に寄航するとか、けしからん、とか。このピースボートでは実際どんな活動をしていたのか、教えていただけますか。

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やまもといちろう
個人投資家、作家。1973年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員を経て、情報法制研究所・事務局次長、上席研究員として、社会調査や統計分析にも従事。IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作に携わる一方、高齢社会研究や時事問題の状況調査も。日経ビジネス、文春オンライン、みんなの介護、こどものミライなど多くの媒体に執筆し「ネットビジネスの終わり(Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など著書多数。

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