川端裕人メールマガジン「秘密基地からハッシン!」より

NYの博物館で出会った「カミカゼ・エクスペリエンス」

川端裕人メールマガジン「秘密基地からハッシン!」Vol.026より

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<筆者撮影>
 

 
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第二次大戦の空母がそのまま博物館に

ニューヨークに滞在するたびに気になっていたのだけれど、一度も訪ねるチャンスがなくて、このたび、やっと行ってきたのが、イントレピッド海上航空宇宙博物館。

マンハッタンのまさに中心、46番街からひたすらハドソン川方面へと歩いていくと、ちょうど川に突き当たったところに、86番桟橋にある。

桟橋自体がエントランスと附属施設になっており、その隣に超重量級の金属のかたまりが、浮いている。いや、表現としては、そそり立っている、というほうがふさわしい。

海(ハドソン川)の上に浮かび、海上+航空+宇宙を名称に冠する、超重量級の金属のかたまりでもある博物館とはなにか。

回答は、空母だ。第二次世界大戦中の進水から1974年の退役まで活躍した空母イントレピッドそのものが博物館になっている。
 
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〈マンハッタンのわりと中心、86番桟橋にあるイントレビッド博物館〉
 
空母であるという一点で、海上+航空までは納得していただけると思うが、残りの「宇宙」とは?

実はイントレピッドは、アメリカの初期有人宇宙計画であるマーキュリー計画やジェミニ計画で、宇宙飛行士が乗ったカプセルを洋上回収している。そういう意味で、充分すぎるくらいに「宇宙」なのだが、それに加えて、2012年からは、スペースシャトルの往還機(オービター)、エンタープライズを艦上で展示しているのだ。

誰からみても「海上+航空+宇宙」な展示になっている。

ぼくは、あまり軍事系の知識はない。

また、それほど興味があるわけでもない。

しかし、軍事的な関心が宇宙技術をドライヴしてきたことは間違いなくて、そのあたり、自分の関心の薄さが、ある方面の理解の浅さを招いていることも自覚している。それでも、食指が動かないものは仕方ない。

そういうわけもあって、イントレピッドはなんとなく関心あるけど、関心の焦点が脇に置かれているような(海上+航空+宇宙の最後が宇宙である)ところでもあって、自然と優先順位が落ちていた。

なにしろ、入場料は26ドルのうちの20ドルくらいは、関心が薄いことに費やされそうで、宇宙だけでいいから6ドルで入れておくれ、とか思ってしまうのであった。
 
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〈イントレピッド博物館への入り口〉
 
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〈大人は26ドル、5歳未満の子ども・会員・軍人・退役軍人無料〉

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川端裕人
1964年、兵庫県明石市生まれ。千葉県千葉市育ち。普段は小説書き。生き物好きで、宇宙好きで、サイエンス好き。東京大学・教養学科卒業後、日本テレビに勤務して8年で退社。コロンビア大学ジャーナリズムスクールに籍を置いたりしつつ、文筆活動を本格化する。デビュー小説『夏のロケット』(文春文庫)は元祖民間ロケット開発物語として、ノンフィクション『動物園にできること』(文春文庫)は動物園入門書として、今も読まれている。目下、1年の3分の1は、旅の空。主な作品に、少年たちの川をめぐる物語『川の名前』(ハヤカワ文庫JA)、アニメ化された『銀河のワールドカップ』(集英社文庫)、動物小説集『星と半月の海』(講談社)など。最新刊は、天気を先行きを見る"空の一族"を描いた伝奇的科学ファンタジー『雲の王』(集英社文庫)『天空の約束』(集英社)のシリーズ。

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