やまもといちろうの記事一覧

個人投資家、作家。1973年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員を経て、情報法制研究所・事務局次長、上席研究員として、社会調査や統計分析にも従事。IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作に携わる一方、高齢社会研究や時事問題の状況調査も。日経ビジネス、文春オンライン、みんなの介護、こどものミライなど多くの媒体に執筆し「ネットビジネスの終わり(Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など著書多数。
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「相場下落」の冬支度、なのか

介護離職気味のセミリタイアをすると宣言する前から、年始よりかなりポジションを手仕舞いしているわけなのですが、トランプ相場や中国国内市場の状況を見ていて「このまま過熱することはちょっとあり得ないな」と警鐘を鳴らす自分も心の中にいるわけです。もちろん、引き続きハイテク株に入れていれば順調にいくかもしれないし、日本株だって日経平均2万円をどんどん超えていく可能性だって高いかもしれない。わざわざ北朝鮮危機など引き起こさなくとも、世界経済が順調である限り踏み上げていって、一気に平和の配当を手にすることだって可能かもしれないじゃないか、と欲の部分はあるのです。(2017.05.30)  続きを読む

ご報告など:いままで以上に家族との時間を大事にすることにしました

私事ながら、しばらく懸念していた両親や親族の体調不良もありまして、しばらく半分引退するような生活を送ることになりました。と言いますか、ここ2年ぐらいも企業実務の世界を離れ、学術研究その他の世界にも片足を突っ込みながら個人的な投資業務やファンド運営をやっているという状態だったのですが、いままで以上に家族との暮らしを優先していきたいと思うようになりました。(2017.05.24)  続きを読む

「消防団員がうどん食べてたらクレームが来て謝罪」から見る事なかれ倫理観問題

そもそもクレームを入れるおかしい人たちというのは一定の割合いて、それ自体はおかしいことでも珍しいことでもないのです。また、第三者的にはどうでもいいことでも当事者には譲れない問題というのは多数あるので、司法制度も仲裁の仕組みも世の中が公平にしっかりとあってうまく回っている、というのは捨て置けない部分なんですよね。(2017.04.29)  続きを読む

大学の奨学金問題、貸し倒れ率見る限り問題にならないのではないか

昨今の大学奨学金問題はいろんなところに飛び火をしていて、私立大学の無償化を含めた議論や、留学生ばかりでほぼ全入状態の受験事情、はては大学統合・閉鎖における文部科学省の無謬批判まで乱れ飛んで、どこが最適解なのかいまひとつ分かりづらい状況になってきています。ところが、先に東洋経済で関田真也さんが渾身の記事を書いておられたのですけれども、この中身を見ると金融を理解する人間であればむしろ優良な返済率なんじゃないかと感じてしまうリストが掲載されていました。(2017.04.28)  続きを読む

格安スマホは叩かれるべきか? サービス内容と適正価格を巡る攻防

このところ、再びソーシャルゲーム業界がややこしくなりそうで、いろんなところにお呼ばれしたり、勉強会でお話をするケースが増えているのですけれども、そのソーシャルゲームと消費者行政の枠組みとは異なるところで問題になりつつあるのが格安スマホ、MVNO業界です。やはり業界内でもトラブルの火種になりそうだということで警戒モードになりつつあるのが分かります。(2017.04.18)  続きを読む

YouTube広告問題とアドフラウド

このメルマガでも何度かネット広告の詐欺については言及してきているのですが、最近になってようやくYouTubeの不適切動画に大手クライアントの広告が掲載されてしまう問題に着火しました。といっても、最後の最後まで粘ってから大手広告代理店が腹に据えかねて実力行使ということですので、あまり気持ちの良いものではありません。我が国のYouTube事情でも、明らかに低年齢層向けの商材動画からテレビ番組の無断流用その他、カテゴリーのミスマッチとか望ましくない動画への広告配信がGoogleの努力にもかかわらず横行してしまっている問題は確かにあります。(2017.03.27)  続きを読む

「生涯未婚」の風潮は変わるか? 20代の行動変化を読む

いわゆる「おひとりさま」、生涯未婚が男性の3割を超える状況になりそうで、1,900万人が選択的独身男性という問題を引き起こしつつあります。もっとも、結婚しないという選択肢は、それが望んだかそうでないかにかかわらず現代では国民の自由な権利であって、結婚しなかろうがなんだろうが本人が良ければそれで良いわけなんですけれども、一方で少子化問題の解決のためには日本は特にその前提条件となっている未婚率をどう下げていくかが変数として重要であることが分かっている以上、生涯未婚の問題を避けては通れないのも現実です。(2017.03.16)  続きを読む

「実は言われているほど新事実はなく、変わっているのは評価だけだ」問題

先日、医療情報関連で幾つか話題になっていたネタを裏付け取って記事にしたのですが、いわゆるネットで流れる医療情報のデマ問題については、送り手側の医療知識不足とその間違った情報を流すことで何が起きるのかという想像力不足が合わさったところなのかなと思っていました。ところが、先日の堀江貴文さんらが呼びかけ人になって、実質的に彼自身が広告塔になっている予防医療普及協会について言うならば、それ相応の医師が実名顔出しで「胃がんの原因の99%はピロリ菌」という途方もないネタを出してしまって収拾がつかなくなる、というジレンマを呼んだりもしております。(2017.03.10)  続きを読む

「キレる高齢者」から見る“激増する高齢者犯罪”の類型

某所で高齢者犯罪についてや更生について検討する話が盛り上がっていたので、調べていた内容も踏まえて簡単に状況を書くわけなのですが。高齢者による犯罪のスパイラルというのは通常の粗暴犯や若者による犯行とは趣が違います。適切かどうかはさておき、高齢者における犯罪は7割以上が窃盗、万引き、家庭内を含む暴行であって、55%程度が初犯であるということが知られています。つまり、高齢者が犯す犯罪というのは軽微な初犯から入るということは傾向としてもっと広まってよいと思うんですよ。一方で、もっと特筆されるべきことがあって、それは「累犯率の高さ」です。(2017.02.27)  続きを読む

上野千鶴子問題と、いまを生きる我らの時代に

先般、上野千鶴子女史が中日新聞に寄せた記事について、主に上野女史の信奉者であった人たちからの批判が強く上がる事態となって、興味深く見ておりました。移民反対というか、現実的に厳しいと論考することが直ちにトランピアンだと批判の対象となるべきかは分かりませんが、上野批判の一角には「上野女史はすでに東大名誉教授となり、経済的に不安のない上がりとなっている人物であって、そういう人物がこれから貧困に喘ぐであろうこれからの日本人に脱成長を説くのはおかしい」というものです。もちろん、その議論は成立し得る部分はあります。(2017.02.23)  続きを読む

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