経営者としての決断、父親としての苦悩

父親が次男に事業を継がせた深~い理由

名物記事となっているやまもといちろうメルマガのヘヴィ人生相談シリーズ。前回の「社員を切ってください、雑巾は絞ってください」に続き、第二弾を公開します。今回は、製菓屋の長男坊さまからの質問です。

 

読者からの質問【弟が事業を継いで、兄としての立場がない】

もうすぐ三十路の僕ですが、半年ぐらいぼやっと山本さんのメルマガを読んでいて、こんなヘヴィな人生相談をする人がいるのかとなかば興味、なかば呆然を感じてたんです。

ただ、ここ二ヶ月ほど、どうしようもない問題が身に降り注いできたので、相談したいと思っています。山本さんもお父上が事業をされていて、事業継承をされたということはメルマガで読みました。

僕には二歳下の弟がいて、兄弟で創業者である親父の仕事を手伝っています。夏前に、親父が僕と弟を呼び出して、この会社の株式は100%弟に譲る、兄である僕はこの会社にいてもいいし、出て行ってもいいが、親父の持っている金は僕に譲るだけで株はやらない、事業を続けるかどうかは弟と相談しろと言うのです。

悩みました。吐くほど悩んだのです。それから二ヶ月ほど不眠になり、仕事をしていてももう社員も弟が継ぐことを親父が言ったのか知っていますから、僕には誰も忠誠を誓ってはくれません。仕事を辞めるかどうかってことが、ずっとぐるぐると頭の中を回っている状態で、食事も満足にできなくて、急に痩せてしまいました。

(略)

僕はどうしたらよいのでしょうか。本当に最低限のところでいいのでアドバイスが欲しいです。よろしくお願いします。

 

答え【お父様の決断を受け入れましょう】

非常に長文のご質問を頂戴し、ちょうど飛行機に乗っていたこともありまして、じっくりと拝読しました。個別具体的なところや、メルマガと言えど公にするべきではないと思う内容については、別途メールを差し上げました。一般論として、ここでは回答したいと思います。

私は、貴殿に会社を継がせないと決めたお父様の決断を是とします。客観的には、貴殿は全体のことを考えて、このお父様の決断を受け入れることを選択したほうが良いと思います。

1 2 3
やまもといちろう
個人投資家、作家。1973年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員を経て、情報法制研究所・事務局次長、上席研究員として、社会調査や統計分析にも従事。IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作に携わる一方、高齢社会研究や時事問題の状況調査も。日経ビジネス、文春オンライン、みんなの介護、こどものミライなど多くの媒体に執筆し「ネットビジネスの終わり(Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など著書多数。

その他の記事

古都には似つかわしくない最先端の「現代日本語」講座(高城剛)
脱・「ボケとツッコミ的会話メソッド」の可能性を探る(岩崎夏海)
「本質を学ぶ場所」を作る(西條剛央)
「逃げる」というのは「努力しない」ということじゃないよ(家入一真)
長崎の街の行方に垣間見える明治維新以降の日本社会の力学(高城剛)
なぜ僕は自分の作品が「嫌」になるのか–新作『LAST KNIGHTS / ラスト・ナイツ』近日公開・紀里谷和明が語る作品論(紀里谷和明)
競争法の観点から見たTwitter開発者契約の不利益変更とサードパーティーアプリ禁止問題(やまもといちろう)
これからの数年間は本格的な動乱期に入る前の最後の準備期間(高城剛)
「消防団員がうどん食べてたらクレームが来て謝罪」から見る事なかれ倫理観問題(やまもといちろう)
過去最高益を更新したトヨタ自動車の今後に思うこと(本田雅一)
乱れてしまった自律神経を整える(高城剛)
スルーカ! スルーカ!(小寺信良)
「ラスト・ナイツ」ついに公開ーー苦労そのものに喜びがある(紀里谷和明)
ルンバを必要としない我が家でダイソンを導入した話(小寺信良)
迷走ソフトバンクのあれやこれやが面倒なことに(やまもといちろう)
やまもといちろうのメールマガジン
「人間迷路」

[料金(税込)] 770円(税込)/ 月
[発行周期] 月4回前後+号外

ページのトップへ