名越康文
@nakoshiyasufumi

名越康文メルマガ『生きるための対話』より

「近頃の新入社員は主体性に欠ける」と感じる本当の理由

好評発売中!

驚く力―さえない毎日から抜け出す64のヒント surprised_cover

現代人が失ってきた「驚く力」を取り戻すことによって、私たちは、自分の中に秘められた力、さらには世界の可能性に気づくことができる。それは一瞬で人生を変えてしまうかもしれない。 自分と世界との関係を根底からとらえ直し、さえない毎日から抜け出すヒントを与えてくれる、精神科医・名越康文の実践心理学!

amazonで購入する

 

「近頃の新入社員は主体性に欠ける」はどこまで本当か?

pret_nakoshi

「言われたことはやるけれど、自分から新しいことに取り組むことを嫌う」

 

新入社員が入ってくるシーズンになると、そういう話題をよく耳にします。

 

「近頃の若いものはうんぬんかんぬん……」というのはそれこそ古代からずっと続いてきた年長者の愚痴の定型句のようなものですので、これ自体はあまり意味のある話ではないと思います。おそらく現実には今の若者が先行世代に比べてことさらに「積極性がない」とか、「成熟していない」ということはないでしょう。

 

仮に20-30年前の若者のほうがいまの若者よりも(一見)積極性があったのだとしても、それは「社会全体の積極的な空気」に流されていただけという可能性が高いように思います。そうだとすれば、表面的に積極的であったとしても、個人レベルで見たときの「主体性のなさ」は五十歩百歩、ということだってありえるわけです。

 

ただ、そうした若者の表面的な行動傾向を、「社会全体の病理の縮図」としてみる見方はときに有効だと思います。つまり、若い世代から主体性が失われているということが、実は日本全体が抱えている何らかの病理を示しているのではないか、ということです。

1 2 3 4 5
名越康文
1960年、奈良県生まれ。精神科医。相愛大学、高野山大学、龍谷大学客員教授。 専門は思春期精神医学、精神療法。近畿大学医学部卒業後、大阪府立中宮病院(現:現:大阪精神医療センター)にて、精神科救急病棟の設立、責任者を経て、1999年に同病院を退職。引き続き臨床に携わる一方で、テレビ・ラジオでコメンテーター、映画評論、漫画分析など様々な分野で活躍中。 著書に『「鬼滅の刃」が教えてくれた 傷ついたまま生きるためのヒント』(宝島社)、『SOLOTIME~ひとりぼっちこそが最強の生存戦略である』(夜間飛行)『【新版】自分を支える心の技法』(小学館新書)『驚く力』(夜間飛行)ほか多数。 「THE BIRDIC BAND」として音楽活動にも精力的に活動中。YouTubeチャンネル「名越康文シークレットトークYouTube分室」も好評。チャンネル登録12万人。https://www.youtube.com/c/nakoshiyasufumiTVsecrettalk 夜間飛行より、通信講座「名越式性格分類ゼミ(通信講座版)」配信中。 名越康文公式サイト「精神科医・名越康文の研究室」 http://nakoshiyasufumi.net/

その他の記事

村上春樹から上田秋成、そしてイスラム神秘主義(内田樹&平川克美)
狂気と愛に包まれた映画『華魂 幻影』佐藤寿保監督インタビュー(切通理作)
週刊金融日記 第270号 <小出恵介美人局事件とベイズ統計学 ~なぜナンパは最も安全な出会いなのか 他>(藤沢数希)
何かに似ている映画とかじゃなくて、今じゃなきゃ出来ない、ここじゃなきゃ出来ない映画に出れる幸せ(切通理作)
花盛りとなるステマ関連が見せる地獄の釜の淵(やまもといちろう)
ゆたぼん氏の「不登校宣言」と過熱する中学お受験との間にある、ぬるぬるしたもの(やまもといちろう)
仮想通貨に関する概ねの方針が出揃いそう… だけど、これでいいんだろうか問題(やまもといちろう)
「定額制コンテンツサービス」での収益還元はどうなっているのか(西田宗千佳)
気候変動にまつわる不都合な真実(高城剛)
在韓米軍撤退の見込みで揺れまくる東アジア安全保障と米韓同盟の漂流(やまもといちろう)
アマゾンの奥地にしかない「知覚の扉を開く鍵」(高城剛)
先進国の証は経済から娯楽大麻解禁の有無で示す時代へ(高城剛)
深まる米中対立の大波を迎える我が国の正念場(やまもといちろう)
IT野郎が考える「節電」(小寺信良)
公職選挙法違反――選挙期間中にやってはいけない行為とは(津田大介)
名越康文のメールマガジン
「生きるための対話(dialogue)」

[料金(税込)] 550円(税込)/ 月
[発行周期] 月2回発行(第1,第3月曜日配信予定)

ページのトップへ