若林理砂
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若林理砂メールマガジン「鍼灸師が教える一人でできる養生法」より

風邪は「ひきはじめ」で治す! 葛根湯+ペットボトル温灸の正しい使い方

 

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「未病」と「已病」

 

また寒い季節がやってきます。寒暖の差が激しいので、既に風邪引きさんたちが続出しているようですね。なので今回は、葛根湯とペットボトル温灸でどうやって風邪を未然に防ぐかをさらっと解説しておこうと思います。

未病と已病という概念をまずは解説したいと思います。「未病」というのは、未だ病ではない状態。「已病」は、既に病となっている状態を指しています。この概念は、「黄帝内経」(*東洋医学の最古の医学書)には既にあります。

黄帝内経素問 四氣調神大論篇 第二
「是故聖人不治已病、治未病。不治已亂、治未亂。此之謂也。夫病已成而後藥之。亂已成而後治之。譬猶渇而穿井、闘而鑄兵、不亦晩乎。」

霊枢 逆順編
「上工治未病」

千金要方 巻二十七
「上医医未病、中医医欲已之病、下医医已病之病」

このように、病の手前で治すのが最上の手立てだと考えていました。それ以降に治すのはまあ、中くらいか下等の医者のやることだと。東洋医学の真骨頂は、この未病治にあるっていっても過言じゃないのです。

じつは、未病とはみんなが思っているよりもずっと病の手前の状態で、ほとんどの人が已病(既に病になってしまっている状態)を未病と勘違いしています。

じゃあ未病ってなんなのよ……というと、「あれ、なんかちょっとヘン?」という段階なのです。これ、かなーり病気よりも手前の状態。

いつもよりなんとなく体が重い、いつもよりちょっと手足が冷える、いつもより妙に怒りっぽい、いつもよりちょっとしたことで落ちこむ……いつもより少しなんかちょっとヘン……って時期。これが未病です。ここを逃さないことで、未病を治すこと「未病治」が行えるというわけです。

で、「風邪」に関して、どこまで未病で、どこからを已病って考えるのか
というと。ちょっとウィキペディアにご登場願いましょう。「風邪」の項目

ここには、「症状は、『風邪症候群』と表現されるように、微熱、頭痛、
発熱、悪寒、鼻汁の過分泌、咽頭痛、咳、嗄声、食欲不振、下痢、嘔吐など。」とありますね。

この中で、未病に分類できるのは、たぶん悪寒だけではないかと思います。悪寒って寒気(さむけ)のことですね。「なんかちょっと寒気がするなあ。冷えたかも……」という程度の、アレ。あとは、軽い食欲不振とか、反対に異様な食欲も未病に分類できます。

ウィキペディアにある症状をちょっと分けてみましょう。

<未病段階>軽い食欲不振・軽い悪寒……

(未病段階の症状が徐々に増強)

<已病段階>頭痛・微熱→のどの痛み・頭痛→鼻汁の過分泌・発熱→咳・嗄声→下痢嘔吐・重い食欲不振

こんな感じです。古典的には、東洋医学では六病位というのを病の侵攻具合の弁別に使ってました。

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若林理砂
1976年生まれ。鍼灸師・アシル治療室院長。高校卒業後に、鍼灸免許を取得し、エステサロンの併設鍼灸院で、技術を磨く。早稲田大学第二文学部卒。2004年、アシル治療室開院。現在3ヵ月先まで予約が埋まるほどの人気を集めている。

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