心は刺激依存症
なぜ心は刺激を求めるのか。それはおそらく、刺激のまったくない状態が、心に「死」を連想させるからではないかと思います。
僕はいろんなところで瞑想をお勧めしています。それを聞いて「ちょっとやってみようかな」と思って取り組んでみる人はけっこういますが、ほとんどの人が必ずといっていいほど続かない。そこで「なぜ止めてしまったのか」と聞いてみると、瞑想がまったくうまくいかないから止めたというよりも、むしろ瞑想が少し上手にできだしてから、止めてしまっている人が多いんです。
不思議ですよね。
でも、これは「心が刺激を求める」という仮説に立つと、説明できるんです。瞑想がうまくいくと、心から刺激が減ります。そうすると心は「これはまずい」と大慌てで瞑想をやめさせようと、あの手この手で邪魔をしてくる。だいたい、こういうパターンで、瞑想を止めてしまうんだと思うんです。
それくらい、僕らの心は、刺激を渇望している。刺激がなくなることに対する恐怖心は、かなり本能的なもので、とても強い。だからこそ僕らは、無感覚の恐怖よりは悪い刺激で苦しむことを選ぶのではないか。
卑近な例でいえば、ネットの書き込みで悪口を書かれているのを1回見ると、もっと見たくなるということもありますね(笑)。これ、完全に「悪い刺激」ってわかりきってるじゃないですか。それでもなお、僕らは刺激を求める。もっと見たくなる。見て傷つく。
つまり僕らの心は「もっと怒りたい」「もっと傷つきたい」と思っている。一言で言えば「刺激依存症」なんですね。
その他の記事
冬の間に眠っていた体内の問題が目を覚ます季節(高城剛) | |
「愛する人にだけは見せたくない」顔を表現するということ(切通理作) | |
間違いだらけのボイストレーニング–日本人の「声」を変えるフースラーメソードの可能性(武田梵声) | |
ヘヤカツオフィス探訪#01「株式会社ピースオブケイク」前編(岩崎夏海) | |
エッセンシャル・マネジメント(本質行動学)とは何か(西條剛央) | |
なぜ人を殺してはいけないのか(夜間飛行編集部) | |
日本人の情報感度の低さはどこからくるのか(やまもといちろう) | |
ニューノーマル化する夏の猛暑(高城剛) | |
「骨伝導」のレベルが違う、「TREKZ AIR」を試す(小寺信良) | |
GAFA+Nの存在感、その価値の本質(本田雅一) | |
週刊金融日記 第282号<日本人主導のビットコイン・バブルは崩壊へのカウントダウンに入った、中国ICO規制でビットコインが乱高下他>(藤沢数希) | |
ソフトキーボード、ほんとうに「物理キーと同じ配列でいい」の?(西田宗千佳) | |
ワクチン接種の遅速が招く国際的な経済格差(高城剛) | |
家入一真×上祐史浩悩み相談「宗教で幸せになれますか?」(家入一真) | |
意外とまだマイナー!?「二段階認証」をおさらいする(西田宗千佳) |