行動の把握
“3. これは「電話」です、鳴ったら必ず出ること。礼儀正しく「こんにちは」と言いなさい。発信者が「ママ」か「パパ」だったら必ず出ること。絶対に。”
通話におけるマナーは、固定電話から携帯に移る過程で、多くのものが変わっていった。この条件を見る限り、米国ではまだ、通話は危険視されていないように見える。
一方日本では、SNSやメッセージングサービスから電話番号が漏洩する可能性があるため、知らない番号からの着信に子どもが応答することは、好ましくない。このためMIAUの契約書では、“相手がわからないときは、着信・メールに返信しない。”となっている。
だが、親からの連絡は別だ。子どもは自分にやましいことがある場合、親からの連絡に応答しないということはよくある。ただし電源を切ることはない。自分だってそれは困るからだ。親だってヒマではないので、四六時中子どもの居場所を確認したいわけではない。電話する時は、躾や教育的な理由があるのだ。
スマホであれば、何らかのGPSサービスを利用して居場所を突き止めることもできるが、そういうやり方は推奨しない。その代わりに、自分の責任において電話に出ろ、と言っている。言いたくないことは言わなくてもいいが、親はだいたい子どもの声を聴けば、どういうことになってるかはわかるものである。ただし、電車内など電話に出られないこともあることは、親側も承知しておくべきだろう。
利用時間と健康管理
“4. 学校がある日は7:30pmに携帯を私に返却します。週末は9:00pmに返却します。携帯は次の朝の7:30amまで電源オフになります。友達の親が直接出る固定電話に電話できないような相手ならその人には電話もSMSもしないこと。自分の直感を信じて、他の家族も尊重しなさい。”
携帯の利用時間を制限することは、多くの保護者が実践している。MIAUが都内の私立中学校と共同で実施したアンケート調査では、利用時間に関してルールのない家庭は18%しかなく、時刻としては22時以降の利用を禁止している家庭が最多で、42%であった。
これは、深夜まで友達とコミュニケーションして寝不足になり、学校で授業がまともに受けられない状況になることへの防止策である。特に中学生あたりは、人生の中でもっとも睡眠が重要な時期であり、ここで睡眠が不足すると、脳と体の成長に悪い影響を与える可能性がある。
・第3回 理想は8時間睡眠もウソだった! (Webナショナルジオグラフィック)
http://nationalgeographic.jp/nng/article/20121203/332687/index3.shtml
固定電話にかけられない云々の話は、なかなか日本では実践できない。中には、親の方に問題がある家庭もある。その反対に、子どもと仲のいい友達の携帯番号は、親も知っているという傾向が見られるようになってきている。13歳という年齢を考えれば、子どもの交友関係を把握しておくのは、保護者としては妥当な行動である。
その他の記事
|
「病む田舎」の象徴となるような事件が多いなあという話(やまもといちろう) |
|
スープストックトーキョーの騒ぎと嫌われ美人女子の一生(やまもといちろう) |
|
深まる韓国経済のモヤ(高城剛) |
|
チェルノブイリからフクシマへ――東浩紀が語る「福島第一原発観光地化計画」の意義(津田大介) |
|
“今、見えているもの”が信じられなくなる話(本田雅一) |
|
世界情勢の大きな変わり目を感じる今年の終わり(高城剛) |
|
最近笑顔の減った男性は要注意!? 「つられ笑い」は心身の健やかさの指標(名越康文) |
|
豚だらけの南の島、ババウ島に隠された奥深くも驚くべき秘密(高城剛) |
|
「わからない」という断念から新しい生き方を生み出していく(甲野善紀) |
|
煉獄の自民党総裁選、からの党人事、結果と感想について申し上げる回(やまもといちろう) |
|
米国大統領とテカムセの呪い(高城剛) |
|
ニューノーマル化する夏の猛暑(高城剛) |
|
意外に簡単に見られる新4K放送。だが課題も…(小寺信良) |
|
国内IMAX上映に隠された映画会社や配給会社の不都合な真実(高城剛) |
|
週刊金融日記 第284号<ビットコインのおかげで生きたトレーディングの教科書ができました、安倍首相衆院解散か他>(藤沢数希) |










