【連載】元卓球世界王者の「上達の法則」

(1)上達し続ける人だけがもつ「謙虚さ」

「身体意識」を持つ

「絶え間ない上達」の道を歩む人が持つ謙虚さとは、「あの人のように打ちたい」「この技術を身に着けたい」と憧れ、素直にそこを目指していくということですよね。そのためにまず必要なことは、自分の身体の意識、すなわち「身体意識」を明確にすることです。

手、足、首、腰、頭、背筋、手の指先、足の指先……といった身体の部位のすみずみまで、できるかぎり意識を行き渡らせる。

どこに力が入っていて、どこの力が抜け、それぞれの身体の部位がどこにあって、どのように動いているかということを、全体として把握できるようにする。そうすることによって、自分の身体がどういう運動をしているかを謙虚に受け入れる。それが上達のスタートラインです。

これを読んでいる方も、少しその場で立って、自分の身体を確認してみてください。身体のすみずみまで、意識が行き届いていますか。身体の左右のバランスはよいですか? 背筋は伸びていますか?

自分の姿勢を、あたかももう一人の自分が眺めているように眺めてみることが「絶え間ない上達の道」のスタートラインです。

「相手のボールに合わせる」という謙虚さ

自分がやったことを謙虚に反省し、次につなげていくためには、まず自分が何をやったのかに「気づく」という段階が絶対に必要です。

つまり、「謙虚さ」のスタートは「気づく」ということなんです。

でも、「気づく」と言われても難しいですよね。あるいは自分では「謙虚にしよう、謙虚にしよう……」と思っていても、無意識のうちに思い上がっていたり、傲慢になってしまうことがあるのが人間です。

私 は、卓球というスポーツは本来、「謙虚さ」につながる気づきを得やすいスポーツだと思っています。というのも、いくら身体を鍛えてラケットを素早く振れる ようになっても、卓球は常に「相手のボール」を打たなければいけないからです。極端な話、「相手が1本打つ間にこちらは5本打つ」といったことはできない わけですね。

相手のボールに合わせることができなければ、良いプレーを行うことはできない。そういうスポーツなんです。

つまり卓球は、自分とは違った存在である「他人」を常に認め、受け止めなければ上達できないようにできているんだと、私は思うんです。

<次回に続く>

<関連記事>

(1)上達し続ける人だけがもつ「謙虚さ」
(2)「目標」から「目的」へ
(3)プレッシャーの受け止め方
(4)視野を広げる

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

[caption id="attachment_2776" align="alignleft" width="163"]DVD 軸・リズム・姿勢で必ず上達する 究極の卓球理論ARP DVD 軸・リズム・姿勢で必ず上達する 究極の卓球理論ARP[/caption]

2012年12月11日発売!

壁を越えたいすべての人に贈る
究極の卓球理論DVD

[DVD] 軸・リズム・姿勢で必ず上達する 究極の卓球理論ARP(アープ)

世界のトップ選手たちはなぜあれほど速く、激しいラリーの中でもバランスの取れた、美しい姿勢を崩さずにプレーを続けられるのか。全日本選手権を2度制し、世界選手権団体優勝に導いた名選手・山中教子がまとめた卓球理論=ARP(アープ)理論は、その秘密を軸・リズム・姿勢の三要素でひもとき、誰でも学べる形にまとめている。初心者からトップランカーまで、卓球に取り組むすべてのプレーヤー必携の究極の卓球理論!!

特設販売サイトはこちら!
http://arp.yakan-hiko.com/

1 2

その他の記事

実は「スマート」だった携帯電話は、なぜ滅びたのか ーー10年前、初代iPhoneに不感症だった日本市場のその後(本田雅一)
創業メンバーをボードから失った組織の力学(本田雅一)
「今の技術」はすぐそこにある(西田宗千佳)
「何をやっても達成感を感じられない時」にやっておくべきこと(名越康文)
消費市場が活性化するインドの今(高城剛)
実はまだいじくっている10cmフルレンジバックロード(小寺信良)
楽天イーグルス戦略アドバイザーとしての初陣は無念の惜敗でした(やまもといちろう)
努力することの本当の意味(岩崎夏海)
「立憲共産党」はなぜ伸び悩んだか(やまもといちろう)
ソフトキーボード、ほんとうに「物理キーと同じ配列でいい」の?(西田宗千佳)
最近「オタク叩き」の論調がエクストリーム化して理解が非常にむつかしい件(やまもといちろう)
ネトウヨとサヨクが手を結ぶ時代のまっとうな大人の生き方(城繁幸)
競争社会が生み出した「ガキとジジイしかいない国」(平川克美×小田嶋隆)
素晴らしい東京の五月を楽しみつつ気候変動を考える(高城剛)
東アジアのバブル崩壊と「iPhoneSE」(高城剛)
【DVD】軸・リズム・姿勢で必ず上達する究極の卓球理論ARP
「今のままで上達できますか?」元世界選手権者が教える、新しい卓球理論!

ページのトップへ