高いエステはなぜ痛いのか
以前、とある人から「10万円以上のエステと10万円以下のエステをはっきり分けるのは「痛み」である」という話を聞いたことがあります。
「高いエステほど痛い」
これは、心理学的にも、非常に興味深い話だと思いました。
もちろん、痛いだけで効果がなければお客さんもつかないわけですが、高い料金を取って、お客さんに納得してもらうには、「痛み」があったほうがいいというのは、なるほどな、と思ったんです。
どういうことでしょうか? それは僕らがみんな「刺激依存症」であることと、関係しています。
傷つきやすさには個人差がある
僕らはみんな、本音のところでは「世界でいちばん傷つきやすいのは自分だ」と思っています。でも一方で、「傷つきやすさには個人差がある」というのもまた、実感でしょう。傷つくことによってすごく苦しむ人と、そこからぱっと明るく気分を切り替えることができる人がいる。
僕らの心はそもそも、何によって傷つくのでしょう。人間関係を筆頭に、いろんなことが思い浮かぶと思いますが、突き詰めると僕らは「刺激」によって傷ついているということがわかります。
刺激があるからこそ、僕らは辛かったり、悲しかったりする。もちろん、うれしかったり、楽しかったりすることもある。しかしいずれにしても僕らの心は常に、刺激によって動かされている。
問題なのは、「それがよい刺激なのか悪い刺激なのか」ということとはまったく無関係に、僕らの心は「刺激」を求めるということです。もっといえば、体や心に悪い刺激だとわかりきっていても、まったく刺激がない状態よりは、刺激があるほうを選択してしまいがちなんです。

その他の記事
![]() |
「小池百合子の野望」と都民ファーストの会国政進出の(まあまあ)衝撃(やまもといちろう) |
![]() |
高いエステはなぜ痛いのか――刺激と退屈の心理学(名越康文) |
![]() |
「キャラを作る」のって悪いことですか?(名越康文) |
![]() |
アジアではじまっているメガハブ空港の王座争い(高城剛) |
![]() |
まだ春には遠いニュージーランドでスマホ開発の終焉とドローンのこれからを考える(高城剛) |
![]() |
社会が混沌に向かえば中国雑貨が大儲けする時代(高城剛) |
![]() |
ガースーVS百合子、非常事態宣言を巡る争い(やまもといちろう) |
![]() |
世界的観光地が直面するオーバーツーリズムと脱観光立国トレンド(高城剛) |
![]() |
実に微妙な社会保障議論についての11月末時点での総括(やまもといちろう) |
![]() |
腰痛対策にも代替医療を取り入れる偏執的高城式健康法(高城剛) |
![]() |
今年買って印象に残ったものBest10(小寺信良) |
![]() |
オーバーツーリズムに疲弊する観光都市の行方(高城剛) |
![]() |
日本が抱える現在の問題の鍵はネアンデルタール人の遺伝子にある?(高城剛) |
![]() |
成功する人は群れの中で消耗しないーー「ひとりぼっちの時間(ソロタイム)」のススメ(名越康文) |
![]() |
辻元清美女史とリベラルの復権その他で対談をしたんですが、話が噛み合いませんでした(やまもといちろう) |